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TPP交渉は妥結に近づいているのか?

TPP交渉は2010年から始まり、すでに5年間続いている。交渉を終える期限を何回も定めたが、その都度破られてきた。今年に入ってから、米日は何回も集中的に協議を進め、数カ月内の交渉妥結に自信を示している。それは主に、米政府が今年上半期までに合意を急ぎ、2016年大統領選の予備選挙が始まる前に議会の採決に回したいとの考えがあるからだ。TPPは米国主導の地域貿易協定交渉であり、日本は後から参加した。交渉内容は経済だが、濃厚な政治的色彩を帯びている。これは米国がアジア太平洋リバランス戦略と東アジア経済政策を推進する上での中核であり、外部からは米日が連携して地域における中国の影響力上昇を食い止めるための新しいツールと見なされている。オバマ大統領が任期中に「太平洋の大統領」として名を残すには、TPP交渉を妥結するしかない。しかし、TPAを付与されていないことで、米政府の交渉力は大きく制約されている。議会、特に自由貿易面で反対の態度を示す民主党を前にして、TPPを促すため、米政府は最近チャイナカードを切っている。中国の脅威を誇張することで、議会にTPA付与を促すのが狙いだ。

  過去1年間、中国は周辺外交に積極的に努め、地域内諸国とRCEP貿易協定の締結を加速し、「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)を提起し、実行し始め、アジアインフラ投資銀行とシルクロード基金を設立し、APEC首脳会議でアジア太平洋自由貿易圏の設立プロセスをスタートさせた。絶えず強まってきた中国の経済力と軍事力は、米国の東アジア地域における影響力に対する挑戦となっているため、米国は不安と焦りを募らせている。そのため、米国の政界には最近、中国をめぐる言論が現れてきた。オバマ大統領は今年初めの一般教書演説の中で、「われわれがTPPを通じてアジア太平洋地域における貿易ルールを決めなければならない。そうできなければ、中国が先行していくだろう」、「中国は世界で最も急速な経済成長を遂げている地域の貿易ルールを定めたがっている。米国はこのような事態の発生を避けるべきだ」と述べた。アンドリュース米商務副長官はさらに率直に、「これはわれわれがアジアの貿易ルールを決めるのか、もしくは中国が決めるのかという選択だ。これは貿易の問題だけでなく、中米間の長期にわたる地政学的競争に関わっている」と指摘した。  

上記のような背景と思惑を踏まえると、TPP交渉がまとまる可能性はある。しかし、たとえTPP交渉が合意に達したとしても、米国の焦りと強い関心を解消することはできないだろう。長い間の努力を実らせて、中国は地域協力における主動権を握った。米国は、TPPは開放的なものであり、高基準に達する国の参加を歓迎すると口では言っているが、実は心中はおそらく完全に穏やかというわけではないだろう。最近、イギリスがアジアインフラ投資銀行への参加を表明したことで、「兄貴」たる米国の不満を買った。米国の同意を得ずに中国主導の国際経済秩序に参加したイギリスを米国は批判し、英米間の「特別な関係」に数十年来初めて亀裂が生じた。実際、中国の台頭がすでに阻むことのできない勢いになっていることを米国は知るべきだ。米日が引き続きTPPなどを中国けん制のツールにしようとするならば、結局は無駄な骨折りに終わるだろう。

「北京週報日本語版」2015年4月8日

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