「計利当計天下利」(利を追求するのであれば公の利を追求するべきだ)。習近平総書記が就任後初の外国の賓客との会見で使用して以来、「運命共同体」という重要な概念は新時代の中国外交戦略における重要な奮闘目標となった。「運命共同体」の重点は各方面の優位性発揮にあり、多元的共生と寛容・共進を体現し、共通利益と幸福を守るもので、世界の歴史発展の新潮流に合致した外交実践である。2015年全人代の政府活動報告でも、「周辺外交を全面的に推進し、周辺運命共同体を築く」が今年の政府重要外交活動に盛り込まれた。
運命共同体を目指す上でのカギは、アジアの融合的発展という大きな枠組みを築き、開放の中で融合し、融合の中で発展し、アジア各国が互恵共存するウィンウィンの関係を実現することにある。したがって、アジア運命共同体を目指すには、地域経済協力発展の基礎を固めることがきわめて重要だ。アジアのすばらしい新未来を切り開き、アジア経済の持続可能な成長を実現し、地域経済一体化を推進するには、まずアジア各国間の経済的な連携の絆をしっかりと結ぶことが必要だ。アジアのインフラ相互連結性構築を推進し、地域経済協力を深め、産業モデル転換、技術革新、経済構造調整を推進する中で、アジア各国の経済相互連携と相互補完、融合的発展を緊密にすることは、間違いなくアジアの新未来を切り開き運命共同体を目指す上での礎となる。
まもなく開催される2015年ボアオ・アジア・フォーラムは、アジアの新未来にフォーカスを合わせた。アジアインフラ投資銀行、「一帯一路」などの話題は、今回のフォーラムの焦点及び重点になる可能性がきわめて高い。
中国の「一帯一路」構築戦略構想の重要目標は「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」という陸と海における発展ルートを通じて、関係国間の相互協力を促進し、共に発展することで、経済・文化など多分野にわたる融合と寛容、発展を遂げるウィンウィンの「運命共同体」を共に築くことである。「一帯一路」計画は主にアジア・ヨーロッパ・アフリカの大陸をカバーし、アジアとヨーロッパの二大経済圏を結んでおり、平和と開放、寛容、ウィンウィンを追求する道だと言える。中国が打ち出した「一帯一路」計画とアジア運命共同体の構築は、相互に融合し相通じる関係であり、アジアの互恵的共進を促進する新たな発展のルートでもある。そして各国が協力し設立に参加するアジアインフラ投資銀行と、中国が設立した400億ドルの「シルクロード基金」は、アジア太平洋の相互連結性とインフラ建設に資金面のサポートを提供し、アジアの相互連結性と地域協力における資金面のボトルネックを共に解決するものでもある。
このように見てくると、中国の「一帯一路」戦略計画と「シルクロード基金」、そして注目を集めているアジアインフラ投資銀行は、アジアの新未来を共に切り開き、運命共同体を構築するための基礎を固めるもので、アジアの新開放、新融合、新発展を推進する新たなエンジンなのである。
「北京週報日本語版」2015年3月25日 |