本誌評論員 蘭辛珍
商務部のデータによると、2014年の金融業を除いた中国の対外直接投資が初めて一千億ドルを突破し、昨年同期比14.1%増の1029億ドルに達した。実質ベース外資使用額は約1196億ドルで、昨年同期比1.7%増だった。中国企業の域外における利益再投資と第三地経由の投資を加えると、中国の対外投資規模は初めて外資導入規模を上回り、中国は資本純輸出国となった。
これは、改革開放以来、中国が外資導入に頼って経済を発展させてきたやり方に重大な転換が生じたことを意味している。中国は国際市場における資本投資の主力の1つになり、外資を通じて経済成長を促進する必要のある国・地域にとっては選択肢が増えたことになる。しかもさらに重要なのは、中国資本が信頼するに値する資本だということだ。それには理由が3つある。
まず、中国の対外投資は経済行為であり、政治とは無関係である。先進国であれ発展途上国であれ、大量に外資を導入することで経済成長を促進したいと考えている。投資大国である米国も例外ではない。しかし外資導入の際、一部の発展途上国は往々にして国内の政治要因により一部先進国からブラックリストに入れられ、こうした先進国は自国企業からブラックリスト国に対する投資を制限したり禁止したりしている。
このような投資と政治がリンクした国と比べ、中国資本はそれほど多くの政治的な制限条件を背負っておらず、互恵互利の原則にしたがって対外投資を行っている。中国の多くの企業家にとって投資は平等だ。どの国にも外資を用いて経済を発展させる権利があり、この権利は政治傾向の違いによって奪われるべきではない。
第二に、中国の対外投資は市場行為であり、対外経済侵略とは無関係である。中国資本の対外投資において、最初の対外投資先の多くが資源型産業だったため、一部の下心ある国がこれを理由に「中国資本の対外投資は他国の資源を略奪する資本侵略行為だ」と攻撃している。実際には、中国資本の対外投資は市場主導型であり、資源型産業への投資は完全に市場行為である。現在、中国資本は船舶、高速鉄道、電力設備、電気通信設備、通信設備などの分野に対する投資を増やそうとしているが、こうした分野は中国資本が注目する分野であるだけでなく中国の技術がリードしている分野でもある。資本と技術を以てそれを必要とする国に対し投資を行うことは、人類の経済と技術発展を共有する行為であり、侵略行為ではない。
第三に、中国の対外投資は企業行為であり、イデオロギーとは無関係である。中国資本の対外投資行為において、投資主体は企業であり、それには国有企業もあれば私営企業もある。しかしこれまでの中国資本の対外投資の過程を見てみると、しばしば一部の国からイデオロギーを理由に介入されたり、阻止されたりしている。これも、中国の世界主要経済体に対する投資規模が年ごとに拡大しているにもかかわらず、全体としてはなお発展途上地域に集中している原因である。
中国は世界第二の経済体であり、しかも大量の外貨準備を有し、資本輸出力は高い。対外投資額の増加にしたがって、中国資本のイメージが高まり、世界と各国経済の発展促進に向けて新たな貢献をすることを願う。
「北京週報日本語版」2015年2月13日 |