羊にまつわる話
「羊」は十二支の8番目に数えられる。中国の伝統文化と歴史的関わりが深く、中国の文字、飲食、道徳、礼儀、美学といった文化の誕生と発展に影響してきた。羊は「祥」を表し、温和・従順、善良、親孝行(跪いて乳を飲むことから)、粘り強さなどの意味が込められている。吉祥を表すのに用いられ、幸福の象徴とされる。民間では、幸運の到来を例える「三羊開泰」や豊穣を示す「五羊銜谷」という言葉がよく用いられている。
中国の「羊」文化
羊は美しさを表す。「美」という漢字は「羊」と「大」から成っている。羊は美食を示す。「魚」と「羊」を合わせると美味を表す「鮮」の字になる。羊は文化を育む。「羊」を部首とする漢字は200以上ある。羊は芸術を伝える。古代商朝の「四羊方尊」から現代の年画や剪紙(切り紙細工)まで、羊のモチーフは人々の目を楽しませ、鑑賞されてきた。
早くから家畜化した羊は、人類にとって主要な衣類素材・食料の1つ。「全身これ宝」と言われるように、肉は食用、毛や皮は毛織物や皮革製品になる。その独自の効果は医薬でよりいっそう発揮される。羊肉、羊血、羊骨、羊肝、羊乳、羊胆等は多くの病気治療に用いられ、高い薬用価値がある。
羊についての伝説
中国の神話では、羊は人類に五穀の種をもたらした偉大な神として描かれている。人類はその五穀の種をまき、その年には農作物が育った。しかし羊の行いは玉皇大帝の怒りを買い、大帝は天宮で羊を殺し人類に罰として羊の肉を食べるよう命じた。そのため、「羊」には自分の身を献上して人のために尽力するという寓意がある。
未年の切手を発売
中国郵政は2015年1月5日、「乙未年」記念切手セットを発売した。切手1枚の額面はすべて1.20元。中国郵政発行の十二支記念切手はこれが3シリーズ目で、羊は今シリーズ最後の作品。呉冠英氏がデザインし、北京郵票廠が印刷した。
モチーフは綿羊で、角には唐草模様、体には牡丹や蓮の花などが描かれている。さらに瑞雲と波紋があしらわれ、吉祥・円満・幸福の意味と幸福な新年への願いが込められている。三層になった牡丹の花びらと12本の巻き毛は、十二支切手の発行が3シリーズ目であり、1シリーズが12枚構成だということを示している。
「北京週報日本語版」2015年2月17日 |