本誌評論員 蘭辛珍
「21世紀海のシルクロード」と「シルクロード経済ベルト」に関する国家計画が間もなく打ち出される。この世界60以上の国と地域が参画し支持する戦略計画は、経済グローバリゼーションという大きな流れの中での一大注目ポイントになるだろう。
「21世紀海のシルクロード」は2013年10月、習近平国家主席がASEAN諸国歴訪の際に打ち出したものだ。習近平主席は約二千年前の古代海のシルクロードをベースに、中国とASEANの戦略的パートナーシップ構築十周年という新たな歴史の出発点に着眼し、互いの協力をさらに深化させ、また同地域の人々の幸福を追求するために打ち出した戦略構想である。
今やこの構想は中国とASEAN地域にとどまらず、アジア太平洋、南アジア、中央アジア、アフリカ、ヨーロッパなど各経済ブロックまで広がっており、経済貿易一体化を長期発展目標としている。そのため「21世紀海のシルクロード」は単に中国が打ち出した計画というだけでなく、世界の経済貿易文化交流の青写真となっている。
中国にとって、「21世紀海のシルクロード」は中国が協調的かつ平和的で調和のとれた対外協力環境を主体的に創造する上での有力な手段であり、それによって中国の人材や技術、資金など市場要素の交流チャネルがさらに開拓され、経済体制改革を主導とする中国の改革全面深化のためにチャンスと外部環境が作られるだろう。
同時に、中国と世界の経済がますます緊密になっているため、中国はいっそう主体的に地域経済協力に参画し、世界の政治経済構造が複雑化し激変する環境において、国際協力強化を通じて中国の戦略的安全保障を増強する必要がある。
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