これは怖ろしいことだ。株式市場に正常でない発展秩序をもたらし、資金調達を主とする資本市場本来の機能を極めて大きく損ね、資本市場をギャンブルの場にしてしまった。このような資産バブルを自由に膨らみ続けるに任せていけば、一旦弾けたら、短期間では補えず修復もできない損害を中国の資本市場にもたらし、中国が全面的改革深化に取り組んで以来確立した資本市場改革を断念することを余儀なくされるだろう。
そのため、証監会は規範化に乗り出さざるを得なくなった。証監会の鄧舸報道官は1月16日の記者会見で、「証監会は45社の証券会社の信用取引業務に対する実地検査を行い、一部の会社に対して処分を行った。そのうち、中信証券(CITIC証券)、海通証券、国泰君安証券の3社に対し、規則違反行為があったとして、新規口座開設を3カ月間停止する処分を下した。また、民生証券、広州証券、斉魯証券など5社に対して警告を行った」ことを明らかにした。
証監会からの圧力を受けて、証券会社はルールに違反した信用取引口座に対し強制的に手仕舞いせざるを得なくなった。こうして、証監会の記者発表が行われた後の取引初日である 1月19日に、株価が急落したのである。
今回の株式市場下落はシグナルであり、投資家に十分重視されるべきだと考える。今回のことから、証監会の態度がきわめて断固たるもので、信用取引のリスクコントロールを重要な地位に位置づけていこうとしていることが見て取れる。これは熱狂的な中国資本市場に冷水を浴びせることに等しい。それはもちろん株式市場の抑制を意図したものではなく、投資家や証券会社が熱狂から覚めて冷静になり、投資家や資本市場がいっそう理性的になるようにするためである。
中国の資本市場は短期的には調整が入るだろうが、長期的に見れば依然として有望である。中国資本市場の対外開放は改革の大勢であり、この勢いは中国の資本市場が長期的にメリットを得ることを決定づけている。証監会の今回の規範化以降、中国の資本市場はより健全化し、改革もより順調に推進されていくであろう。
「北京週報日本語版」2015年2月4日 |