後会無期（The Continent ）

　監督は有名な「８０後」（８０年代に生まれた世代）作家でレーサーの韓寒。２０１４年7月２４日から中国大陸部で上映され、馮紹峰、チェン・ボーリン（陳柏霖）、ウォレス・チョン（鐘漢良）、王珞丹、袁泉、ジョー・チェン（陳喬恩）など演技派スターが出演している。興行収入は６億２９００万元。

作家韓寒の映画監督デビュー作。１９９９年、高校１年生だった韓寒は『杯中窺人』で第１回全国新概念作文コンクールの一等賞を受賞した。その後、期末試験の７科目が不合格となったため留年し、この件の報道がきっかけで全国に素養教育政策と「学校はゼネラリストを育成すべきか、スペシャリストを育成すべきか」といった教育問題に関する激しい議論が巻き起こった。米国タイム誌の２０１０年「世界で最も影響力のある１００人」投票で２位に選ばれ、オバマ米大統領を上回り、最終的な順位でも２４位に入った。

＜あらすじ＞

中国で一番東にある東極島（虚構の島）で育った数人の若者が改めて自分の前途を選ぶことを決意し、大陸を車で横断する旅に出る。彼らはその旅の途中で、幼馴染、コールガールを装って詐欺を働く女、長年の文通相手、巧妙に彼らの車をだまし取る旅人などと出会う。不思議な出来事や出会いを通じて、彼らはそれぞれ異なる人生を見つけていく。このロードムービーには、都市、田舎町、高山、森林、砂漠が次々に現れ、彼らはそこを駆け抜け、放浪し、多くの女性と出会ってはすれ違い、思わず心惹かれ、言葉では表せない悲しみを味わい、同じように放浪し続ける動物たちと出会い、善人か悪人か判断のつかない不思議な旅人に出会う。幾度も繰り返される告白と別れが旅の過程で交差し、まったく別のさまざまな人生を描き出していく。

作家自身が監督を務めたこともあり、映画全体にあふれる耽美的な画面と音楽が作品に文学的で芸術的な風格を与えている。巧みなセリフと無言のシーンが俳優たちの演技を引き立て、俳優の演技力がいかんなく発揮されている。分かるような分からないような内容であるため評価は分かれたが、作家の映画監督デビュー作としては成功し、２０１４年で最高の文芸映画とロードムービーの１つであることは間違いないだろう。