中国映画産業自体の発展を振り返ると、それは厳しい管理規制から段階的な自由化へと向かった歴史だった。1970年代末の改革開放以降、中国映画産業は新しい文化経済体制環境の下で市場化し始めたが、古い映画管理体制に束縛され、映画製作が巨大な市場ニーズを満たせないという局面が現れ、転換期における資金、技術、人材の不足により映画市場全体が不況に陥る事態となった。このような背景の下で、中国は1993年から映画産業改革に着手し、国内映画市場を徐々に自由化していった。
この改革の結果は、自由化が中国映画発展に非常に有利だということを証明した。現在中国映画市場はすさまじい勢いで成長しており、観客の映画に対する消費ニーズはある程度満たされた。
しかし中国映画の質はまだ消費者の期待にはるかに及ばず、多くの国産映画は海外市場に進出することができずにおり、中国は映像コンテンツ貿易でずっと赤字状態にある。こうした現状と、文化大国になるという国の目標との間にはまだ大きな隔たりがある。
その原因を突き詰めていくと、おそらく中国の映画産業がなおも体制の影響と束縛を脱することができず、政府主管部門が依然として映画市場に対する干渉と管理を完全にやめていないことにあるのではないか。
中国映画市場をもっと自由化し、国際資本や映画スタジオ、映画関係者に積極的に国内映画市場競争に加わってもらい、国内映画関係者にさらなる学びと参考の場を提供することが、中国映画市場の今後の発展を促進し、中国映画ができるだけ早く海外市場に進出するために効果的なアプローチなのである。
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