父母の世代はこんなに良い条件がなくても子供を2人や3人産んだではないか、と言う人もいる。これについて専門家は、「出産を目的とする結婚は夫婦関係を中心とする愛情型の結婚に取って代わられている。これによって、若い世代の出産観念はより理性的になり、じっくり考えて決めようになった」と指摘している。
南開大学人口・発展研究所の原新教授によると、出産するかどうかは家庭にとって重大事で、決めるには時間がかかり、妊娠・出産にも時間がかかる。出産願望の表明、第2子出産の申請、実際の出産という3段階を経る夫婦の数は、段階が進むごとに少しずつ減っていく。これは普遍的な法則である。
国家衛生・計画生育委員会のデータによると、現在、一方が一人っ子の夫婦のうち、女性が30歳以下の夫婦が大きな割合を占めている。政策が安定的だと予想されているため、彼らは第2子の出産申請を急いでいない。第2子出産数は今後数年の間に徐々に増えていくだろう。
「単独二孩」政策の実施以降、各方面は全国の一方が一人っ子の夫婦約1100万組の反応に注目してきた。次の段階の出産政策調整の重要な拠り所になるからである。
中国人民大学社会・人口学院の翟振武教授は取材を受けた際、次のような見方を示した。調査結果によると、一方が一人っ子である夫婦の60%は第2子の出産を望んでいる。この割合で推計すれば、第2子を望む夫婦は600万組以上いることになり、3~5年のうちに、毎年130万~160万組の夫婦が出産に踏み切ると見られる。これは現在の申請状況とほぼ一致している。
第2子は欲しいが出産に踏み切れない夫婦の、国に対し「後顧の憂い」を解決する措置を講じてほしいという声について、翟振武教授は次のような考えを示した。経済社会の発展に伴って、出生率は低下する傾向にある。少なくとも現在は、中国の出産政策調整の目的は人口のバランスをとることにある。中国の国情から考えれば、欧米先進国のように出産を奨励するところまではいっていない。
中国社会科学院社会学研究所副所長、北京市人口学会理事の張翼氏は、記者の取材を受けた際、次のように述べている。「世界一の人口大国として、中国の出産政策調整はとりわけ慎重なもので、順序を追って漸進し、模索しながら進める必要がある」。
「北京週報日本語版」2015年1月28日 |