第２次世界大戦後、３度の内閣再編を経ることのできた日本の首相は７人しかいない。安倍首相はそのうちの１人だ。２０１４年のクリスマスイブ、安倍晋三氏は特別国会で第９７代首相に選出され、３度目の首相の座に就いた。 

安倍首相の政治生命はこれに留まらない。２０１５年９月、安倍首相の自民党総裁の任期が満了するが、第４７回衆議院議員総選挙で自民党が大勝したため、自民党内部には安倍首相が自民党総裁に再選されるだろうとする意見が少なくない。 

安倍首相の首相任期は最長で２０１８年まで可能となり、「アベノミクス」にその効果を発揮する余地が与えられただけでなく、安倍首相の政治信念である憲法改正にとっても時間的余裕ができた。安倍首相が憲法改正の信念をはっきりさせるほど、日本と中韓両国間の摩擦はますます激しくなるだろう。２０１５年は日本の無条件降伏７０周年、日韓国交正常化５０周年に当たり、憲法改正問題はよりいっそう敏感なものになると見られている。 

経済：アベノミクスが苦境に 

中国社会科学院日本研究所日本問題専門家の龐中鵬氏は国際金融報記者の取材を受けた際、「４年」という「合法的任期」を手にしたことで、安倍首相は「６年間首相をやる」という政治的豪語を実現できる、との見方を示した。 

日本国内には、野党はまとまりを欠いており、安倍政権は２０１８年１２月の衆議院議員任期満了まで安泰なだけでなく、２０２０年まで続き、東京オリンピック開幕を自ら宣言するかもしれない、と指摘する分析も少なくない。読売新聞は、来年４月の地方選挙で自民党が大敗さえしなければ、安倍政権にそう大きな問題は起きないだろう、との見方を示している。 

安倍首相にとって、次の段階は、引き続き「アベノミクス」に効果を発揮させ、経済を再興できるか否かが、その政治能力の最大の試練となる。 

安倍首相は２０１２年末の首相再選後、アベノミクスの「三本の矢」で日本経済を再興することを公約した。初期の強い刺激策の後、「アベノミクス」は力を欠き、やや疲弊した状態にある。 

安倍首相は先日、今年の財政赤字を半減するよう努め、２０１７年４月に消費税率を１０％に引き上げ、２０２０年には財政収支黒字を実現すると公約した。しかし、日本メディアは、給与アップと世帯所得増を実現し、低迷する消費を牽引できるか否かが、安倍政権が直面する最重要課題だと分析している。 

機関関係者は、安倍政権の新たな経済刺激策と企業減税は日本のデフレ対策に役立つだろう、と見ている。日本政府は昨年１２月２７日、景気対策のためさらに３兆５０００億円規模の緊急経済対策を行うことを閣議決定した。経済刺激策のほか、日本政府は今年度から法人税を２．５％に引き下げた。