冬季五輪招致で地方経済を牽引
「冬季五輪が何かは分からないけれど、おじいさんとおばあさんがよく言ってるよ」。張家口市橋東区五一路街道弁事処の万嘉社区(コミュニティ)で、6歳の尹武鈺ちゃんはあどけない声で記者の質問に答えた。尹武鈺ちゃんの祖母は記者に、「一昨年の11月3日、北京市が張家口市と共同で2022年冬季五輪の候補地として立候補したというニュースが流れた後、コミュニティの住民はとても喜んだ。みんなが冬季五輪招致の成功を願っている。成功すれば、私たちの居住環境は大いに改善され、定年退職者への手当は引き上げられ、住民の幸福指数は向上していくだろう」と話した。
説明によると、冬季五輪招致申請によって、氷雪資源に恵まれている張家口市の知名度は国内外で急上昇した。2009~2010年の冬季に張家口のスキー場を訪れたスキー客数は延べ約50万人だったが、2013年11月~2014年1月のわずか3カ月間で、スキー客数は延べ100万人を突破した。
万竜スキー場から1キロのところにある西湾子鎮黄土嘴村 1号院にある農家院(農家の特色を打ち出した民宿)のビニールハウスで、村民の岳志雲さんは宿泊客のために新鮮な野菜を収穫していた。岳さんは、「12月に入ってから、毎週末、37室の客室はすべて満室だ。週末に宿泊するには、2~3日前に予約する必要がある。予約が遅くなると、部屋がなくなってしまう」と語った。毎年、冬場のスキー期に入ると、岳さん夫婦が経営する農家院は多くのスキー愛好者にとって格好の宿泊場所となる。
2004年から、この村で率先して農家院をやろうという村民に対して、県政府は客室建設、付帯するインフラ、サービスの質、防疫衛生、安全施設など様々な基準に基づき、5000~1万元の建設補助金を支給している。
こうしたことを背景に、長年にわたって出稼ぎを続けてきた岳さん夫婦は黄土嘴村に戻ってきた。二人は35万元の資金を調達して、7部屋あった既存の建物を改築し、ツイン客室18室に改造した。その年に受け入れた観光客は延べ1000人余りに達し、純収入は7万元となった。収入が増えるに従って、岳さんは相次いで75万元を投じ、客室19室を新築した。現在、客室数は37室あり、付帯施設も整い、年収は30万元以上になった。岳さんはこう話す。「2005年までは、妻と二人で出稼ぎに行って死にもの狂いで働いても1年間に3~4千元しか貯められなかったが、今は年収が3~40万元になった。以前にはとても考えられないことだ。県のスキー産業の発展のおかげだと思う」。現在、同村の農家院は37軒まで増え、1日の受け入れ能力は800人余りに達し、年間観光収入は300万余りとなっている。
「北京週報日本語版」 2015年1月12日 |