「インダストリー4.0」という概念はドイツ人が打ち出したもので、製造業において資源、情報、モノ、人をつなぐ「サイバーフィジカルシステム 」(CPS)」を指す。ドイツ人はこれを「インダストリー4.0」と呼び、また「第4次産業革命」とも呼んでいる。今年10月、中国とドイツが調印した「中独協力行動要綱」は、双方がインダストリー4.0における協力を強化することを明確に示している。
「インダストリー4.0」は人、設備、製品が効果的に連結した、個性化・デジタル化されたスマートな製造モデルのビジョンを描き出す。工業技術発展の視点から見ると、インダストリー4.0は製造業発展の趨勢であり、中国の将来の産業グレードアップの道でもある。
人類社会は3度の産業革命を経てきた。18世紀の機械製造設備をシンボルとするインダストリー1.0(第一次産業革命)、20世紀初頭の電力の活用をシンボルとするインダストリー2.0(第二次産業革命)、1970年代の大規模、大量生産、標準化・単純化の生産モデルをシンボルとするインダストリー3.0(第三次産業革命)。これらのいずれにも中国は追いついていけず、受動的立場の追随者だった。インダストリー4.0時代には、中国は機会を逸することなく、能動的に参与し、積極的に推進していくだろう。
中国製造業の情勢から見ると、中国はインダストリー4.0を必要としている。中国工業情報化部(工信部) のデータによると、2013年の中国装備製造業生産額は20兆元に達し、全世界装備製造業総額の3分の1以上を占めた。中国発電設備生産量は1億2000万KWで全世界総量の60%、造船竣工量は4534万総トンで全世界造船竣工量の41%、自動車生産量は2211万7000台で全世界自動車生産量の25%、工作機械生産量は95万9000台で全世界工作機械生産量の38%をそれぞれ占めた。500品目余りの工業製品のうち、220品目を超える製品の生産量で中国が世界一となっている。2013年、中国の工業はGDPの37%を占め、全国の25%の雇用を創出した。
|