１１月１６日、主要２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（ブリスベン・サミット）が閉幕した。これまでのサミットと比べ、ブリスベン・サミット最大のハイライトは、包括的な成長戦略を策定し、今後５年間に既存政策レベル上でＧ２０全体の国内総生産を２％引き上げるという目標を設定したことだ。Ｇ２０が経済成長実現のために具体目標を打ち出したのはこれが初めてである。 

ポスト金融危機時代にあって、世界経済の成長は依然として緩慢で、国際石油価格暴落、円安、地政学的摩擦など複雑な要素の影響下で、西側各経済体の経済回復には大きな不確定要素が存在している。最大の発展途上国である中国は、金融危機以降ずっと安定した成長を維持してきた。ここ２年は成長率が低下したものの、依然として比較的高い成長を維持している。改革全面深化の効果により、中国経済は安定した比較的高い成長率を常態とする新たな成長期に入る見込みがある。こうした情勢を背景にして、世界は今後の世界経済成長の原動力として中国にその視線を向けている。１１月１１日に終了したＡＰＥＣサミット、そして今回のＧ２０サミットにおいても、会議参加者はいずれも今後の経済成長において中国がより大きな役割を発揮することを強く望んでいた。 

習近平主席のＧ２０サミットでの演説、さらに今後の中国経済情勢から見て、中国が国際社会の期待に背くことはないだろう。また中国が世界経済成長の主な原動力であるという現状は今後も続き、しかもさらに拡大していくと見られる。