しかしロシアにしてみれば、４０００億ドル相当の中ロ間エネルギー大型契約締結がロシア経済の新たな支えになったとはいえ、国際石油価格暴落の影響は計り知れない。石油と天然ガスはロシアの輸出の６７％を占め、連邦予算収入の５０％を占めているため、石油価格はロシア経済を左右しており、エネルギー輸出は一貫してロシア経済の重要な支柱であり、ロシアの最も主要な外貨収入源と予算資金源だと言える。 

一部機関は、石油価格が１バレル＝１００ドルから８０ドルに下落すると、ロシアのＧＤＰが約２％減少すると推算している。石油価格暴落の影響を受け、ロシアルーブルは２０％近く値下がりし、すでに大量の資本が国外に流出する事態になっている。 

したがって、現在の状況から見て、国際石油価格暴跌はますます米国がロシアに対してしかけた経済戦のように見えるのである。 

中国にとっては、この経済戦はいかなる損失ももたらさず、むしろ堂々とこの経済戦に便乗することができる。 

国際石油価格下落によって米国のシェールガス企業も打撃を受けるため、コスト面の考慮から、米国シェールガス産業にとってもプレッシャーが高まっている。おおまかな計算によると、おそらく１バレル＝７０ドルが米国のシェールガス企業が耐えられるギリギリの価格であり、また米国の今回の経済戦におけるボトムラインでもあるだろう。ただ、ロシアを苦境に陥らせるのには十分な価格だ。

  「北京週報日本語版」2014年11月15日