懐北鎮河防口村は懐柔区で最初に「煤改電」に着手した村の一つだ。工事が完成すれば、５５７世帯の村民が利益を受けることができ、劣質な石炭の使用量は１６７１トン減少する見込みだ。このほか、懐柔区は山間部にある郷・鎮に対しても液化石油ガスの普及プロジェクトを実施し、今年、山間部とＡＰＥＣ会場周辺に住む４万８０００世帯を対象として実施する予定だ。現在、９つの郷・鎮の３万１０００世帯へのガス供給工事は終了し、石炭の使用は７７５０トン減少することが可能になっている。高品質の石炭で劣質炭に代替する農村住民および村民委員会、幼稚園、学校に対しては、政府から補助金が出る。

また、懐柔区は老朽化した車両の淘汰、交通機関のクリーンエネルギー利用といった措置を講じた。今年１～９月で淘汰された老朽車両は全区で４１８６台だった。現在、懐柔区の路線バスはすべてクリーンエネルギーを利用し、タクシーもすべて電気自動車になり、観光バスはすべて北京市独自の自動車排気ガス排出基準「京Ｖ」に達している。環境衛生、郵政、土砂や建築廃材の運輸といった業種も新エネルギー車への切り替えを行っているところだ。  

工事現場では今のところ土砂運搬による土砂飛散・塵埃などを防止するための措置が講じられている。包装・印刷、自動車製造、機械電子といった重点的業種を対象に先進的生産技術の使用を普及させ、揮発性有機化合物の排出を減らそうとしている。  

今年１～９月、懐柔区の大気中のＰＭ２.５、ＰＭ１０、二酸化硫黄、二酸化窒素の濃度は前年同期比でそれぞれ０ .５％、２．7％、１５.６％、０.５％下がった。