本誌記者 王海栄
北京市懐柔区は美しい環境やきれいな空気で有名である。ここで開催されるAPEC第22回非公式首脳会議を迎えるため、懐柔区はクリーンエネルギーの採用推進、老朽化した車両の淘汰、産業グレードアップの促進、工場からの粉塵の削減、河川の汚染源の整備といった措置によって、環境の質を高めようとしている。
汚染物質排出削減措置の実施
たびたび北京市を包む煙霧は無情にも街の鮮やかな色彩を奪い去り、しかも住民の健康を脅かしている。煙霧の発生を減らし、APECに向けて清潔な環境をつくるため、懐柔区は多くの汚染物質排出削減措置を講じてきた。
今年、懐柔区は引き続き高品質クリーンエネルギーで劣質な石炭に代替する「減煤換煤」プロジェクトを全面的に推し進め、APEC首脳会議の中心会場周辺の村と自動車道沿線エリアの整備を重点的に行っている。
APEC中心会場周辺の村では、「煤改気、煤改電」(石炭の代わりにガスと電気による暖房供給)を実現した。範各荘村村民の任立俊さんの家にはすでに壁掛け式天然ガス装置が備え付けられ、家の中は清潔できれいに片付いている。「以前、村民は暖房にも炊事にも、石炭を燃料として使っていました。石炭を積んだり、燃やしたりするのは、汚いし大変でした。部屋の中も息が詰まりそうでした」と任さんは話す。
懐柔区農業委員会の馬春秀副主任は次のように話す。範各荘村は547世帯があり、そのうち商店130軒は毎年石炭の使用量を4000トン減らしていく。暖房の供給期間を4カ月、天然ガスによる暖房供給の1平方メートル当たりのコストを30元で計算すると、暖房供給面積100平方メートルの家庭は暖房供給期間に約1000元のコストを節約できる。
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