本誌評論員 蘭辛珍
最高人民検察院は海外へ逃亡した職務犯罪容疑者を集中逮捕するため、9月26日から半年にわたる職務犯罪海外逃亡犯・財産の国際追跡活動を展開している。これは中国政府が腐敗防止において新たに振り下ろした鉄拳だ。海外へ逃げた犯罪容疑者にもはや法外の地はなくなり、まだ海外へ逃げていない汚職官僚も海外での「自由」な生活を期待するのはやめたほうがいい。
汚職官僚の海外逃亡は中国で盛んに論議されている話題であり、その悪影響は国と社会に大きな損害をもたらした。最高検察院は各級検察機関に対し、全力で海外逃亡中の職務犯罪容疑者を逮捕して裁判にかけ、法という武器を最大限に使って違法資産を追跡するよう求めた。これは国のイメージを守るためのみならず、法の権威を守り、汚職・腐敗を強力に取り締まるための行為でもある。
官僚の汚職・腐敗問題はどの国にも存在している。しかし、汚職・腐敗を働いた後に不正な手段で得た金を持って海外へ逃げる者は中国が一番多いようだ。海外逃亡中の中国汚職官僚がいったいどのくらいいるのかについてまだ正確な情報はないが、最高人民検察院の掌握したデータから見れば、情勢はかなり厳しい。統計データによると、2008年から2013年にかけて中国政府が逮捕した海外逃亡汚職犯罪容疑者は6694人だったが、これはほんの一握りにすぎない。
第18回党大会開催以来2年近くの間、中国は腐敗防止・廉潔政治の建設に力を入れてきた。海外逃亡汚職高官に対する法的制裁はそのうちの一つだ。今年7月22日、公安部は海外逃亡した経済犯罪容疑者を逮捕するための「獵狐2014」を実施したが、この活動と現在展開中の職務犯罪海外逃亡犯・財産の国際追跡活動によって、中国の海外逃亡汚職官僚追跡逮捕の戦いは盛り上がりを見せ、国民から広範な称賛と支持を受けた。
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