本誌評論員　蘭辛珍

２００人以上からなる「史上最大規模」の日中経済協会代表団が９月２２日～２７日の日程で中国を訪問し、汪洋副総理が９月２４日、代表団メンバーに接見した。会談で汪洋副総理は、早急な中日ハイレベル経済対話再開を希望し、また日本が歴史と領土問題で誠意を示すことを期待するとの意を表した。 

日本右翼勢力による悪影響と安倍政権の過失により、中日関係はほぼ停滞している。こうした背景の下、日中経済協会の今回の訪問は中日関係回復のプラスのシグナルとなるかもしれない。その理由は三つある。 

まず、日中経済協会は毎年訪中団を組んでいるが、今年の訪中目的は例年とは異なっていた。冷え込んだ日中関係改善に向けて解決策を探ること、北京ＡＰＥＣ会期中の中日首脳会談実現のために条件を創り出すこと、これが今回の日中経済協会代表団訪中の最大の目的であり、この目的は安倍政権から期待され、託されたものでもあった。これまでの訪中と比べ、今年は人数が最多で、規模が最大であったことも、日本国内、少なくとも日本経済界では、中日関係改善が切望されていることを示している。 

次に、中国にとっても、中日関係の冷え込みは対外友好交流の立場に合致しない。中日はともにアジアの経済大国であり、世界第二と第三の経済体でもある。「合則両利、闘則両傷（協力すれば互いに利があり、争えば双方が傷を負う）」、これは誰もが分かる道理だ。中国が追求するのは経済発展、民生改善、富民強国の実現であり、この目標は今後かなり長い期間にわたって変わることはないだろう。日本政府と国民が誠心誠意中国と友好的に付き合っていきたいなら、中国政府と人民はこれを歓迎する。 

第三に、これまで中日関係で日本右翼の行動によって政治交流が冷え込んだ時にも、中日経済交流は正常で、中日間には「政冷経熱」という特殊な関係が築かれていた。しかし、今回の中日関係の冷え込みは経済分野にまで及んだ。中日ハイレベル経済対話は２０１０年からストップしている。２０１１年の中日関係は「政冷経熱」で、中日貿易は１４．３％成長を保ったが、２０１２年になると「政冷経冷」となり、中日貿易は前年同期比で３．３％低下、２０１３年の中日貿易額は前年同期比でさらに６．５％下がり、２年連続低下となった。この３０年来、中日経済貿易では稀に見る状況であった。このような現象は、両国人民の根本的利益に合致しないと言えよう。日中経済協会訪中団が示した両国関係改善の願いに対し、汪洋副総理は積極的な反応を示し、中日ハイレベル経済対話再開を望むという態度を示したことは、非常に興奮させられるメッセージである。