今後の発展趨勢
李大霄氏をはじめとする専門家らの見方によると、第3四半期も経済成長の下向き圧力が存在する。その理由は次の通りだ。 ①不動産の減速周期にまだ終止符が打たれておらず、販売と投資がまだ底を打っていない。②第3四半期の基数は第2四半期より明らかに上がった。 ③第2四半期の安定回復を牽引した外需が第3四半期も成長を続けるのは難しい。
アジア開発銀行中国代表事務所のシニアエコノミストを務める荘健氏は次のように指摘している。「中国の発展段階から見れば、インフラ建設にしろ、国民生活改善にしろ、その余地は極めて大きい。下半期も投資による牽引が成長安定のカギとなるが、構造の最適化と収益向上を重視した効果的な投資であるはずだ」。
「消費の潜在力を掘り起こすことが、成長安定のもう一つの突破口である」と荘健氏は語る。従来型の消費情勢は楽観視できない。経済社会の持続可能な発展と絶えずアップグレードする消費需要を満たすことから出発して、新たな消費ポイントを育成することを重視するべきである。
住民所得の増加は消費の需要と緊密に関係している。上半期に農村住民所得の実質増加率は9 .8%に達したが、都市部住民所得の実質増加率は7.1%で、同期経済成長率を下回っている。
中国国際経済交流センターコンサルティング研究部の王軍副部長は、「農村市場の消費は余地が極めて大きい。しかし都市部住民所得の伸びが鈍化していることを重視するべきである。所得配分制度の改革をさらに促進し、社会保障システムの構築を速め、流通体制改革を推進し、消費を制約する不合理な要因を取り除くべきだ」とする。
国民生活の改善について、国家発展改革委員会学術委員会の張燕生秘書長は、「下半期に国民生活改善への投入を縮小することはない。縮小するどころかさらに投入を増やし、内需の穏やかな拡大と経済の持続的成長に向けて基礎を固める」としている。
盛来運報道官は、「下半期に中国が直面する情勢は依然として複雑だ。経済の持続的な安定回復を推進する原動力もあれば、経済の急速な発展を制約する圧力もある。だが、中国の経済発展のファンダメンタルズは根本的に変わりがなく、経済成長を支える原動力は下向き圧力をはるかに上回っている。中国の経済には、持続的で比較的速い成長傾向を保つ能力もあれば、潜在力もあり、行動の余地もあれば、条件もある」との見解を示した。
「北京週報日本語版」2014年8月4日 |