インフラ建設から民生へ 中国の対外援助はより理性的に
タンザニア-ザンビア鉄道やアフリカ連合会議センターなど、中国の対外援助はインフラ建設をより重要視してきたというのが従来の印象だ。しかし商務部国際発展合作研究所所長の王濼氏は、「これまで中国は オフィスビル・講堂・文化娯楽施設・宿泊施設など大型施設の建設を援助することが多かった。しかし近年は、民生への注目や被援助国の自主発展力育成など、新しい特徴が見られるようになった」と指摘する。
2010年~2012年、中国の対外援助資金の50%近くが被援助国の貧困対策、教育、衛生、スポーツ・文化など民生分野に対するものだった。また、61%を超える援助資金が後発発展途上国やその他の低所得国に投じられた。
アフリカ・モザンビークのガザ州で、中国民営企業の万宝糧油が経営する約4700ヘクタールの穀物畑は、今年の生産高が3500万キロに達する見込みだ。それと同時に、アンゴラの首都ルアンダ郊外にある約670ヘクタールのCATETE農場では、中国の陸稲品種「緑旱一号」の豊作が見込まれ、現地の食糧1ムー(15分の1ヘクタール)当たり生産高を10倍近く高めると見られている。
「13億人の食の問題を解決した中国は、自身の経験をアフリカなど後発途上地域に転用し、後発途上地域が長期的な食糧供給不足局面を転換するのをサポートしている」と王濼氏は言う。
王成安氏は、中国は近年、地域協力体制下の対外援助をより重視し、国際交流協力に積極的に参加していると指摘し、「世界経済一体化と地域経済一体化の趨勢に順応し、中国の対外援助方式はより柔軟になり、態度はより開放的になり、意識もより成熟した理性的なものになってきた」と述べている。
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