7月10日に発表された『中国の対外援助(2014)』白書は、2010年~2012年の中国の対外援助状況を紹介している。これは2011年に中国政府が初めて発表した『中国の対外援助』白書の補充であり続編である。記者は中国の対外援助に関する注目点について専門家を取材した。
1億近くの貧困人口 それでも対外援助するのはなぜか
ここ数年、中国の対外援助に対する社会の注目度がますます高まっている。中には、次のような疑問を呈す声がかなりある。中国は発展途上国で、1億人近くの貧困層がいるというのに、なぜ巨額の資金を出して対外援助するのか?
中国現代国際関係研究院研究員の徐偉忠氏は、「援助学の原理から見て、通常の貿易投資と経済貿易の中で得る利益が多い経済強国は、市場経済で利益が不足している側に対する補償を行う義務がある。これは国際的慣例だ」と話す。
白書によると、中国の対外援助の主要対象地域はアジアとアフリカで、中国の対外援助資金は多くが低所得発展途上国に向けられている。
中国世界貿易機関研究会副会長の王成安氏は、「中国経済の発展は難関攻略段階にあり、安定した国際環境をいっそう必要としている。発展途上国の共同発展と安定は中国経済発展の根本的必要性に合致する」と述べ、さらに「対外援助は国家の戦略的支出であり、我が国と発展途上国との友好発展・強化、二国間経済貿易関係の促進、国家利益と安全保障の維持などの面で果たす役割はほかに代えがたいものがある」と指摘している。
中国の対外援助は国際社会に報い、国際責任を担うことの体現でもある。徐偉忠氏は、「中華人民共和国建国後、中国は国際社会から直接的に援助を受けてきた。これらの援助は中国経済建設に必要な資金を補充しただけでなく、中国に先進的設備、技術、管理経験と理念をもたらし、中国経済と社会の発展を促進した」と述べている。
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