6月26日から8月1日にかけて、環太平洋合同演習(リムパック2014)が米国ハワイ沖で行われ、中国を含む22カ国が軍艦と潜水艦40隻余り、軍用機200機余りを派遣し、2万5000人以上が参加する。中国海軍はミサイル駆逐艦「海口」、ミサイル護衛艦「岳陽」、総合補給艦「千島湖」、病院船「和平方舟」、艦載ヘリコプター2機、特殊戦分隊、潜水分隊各1個を派遣し、参加規模が主催国米国に次ぐ。そのうち、「海口」と「岳陽」は中国海軍の主力戦艦である。
中国がリムパックに参加するのはこれが初めてである。オバマ米大統領の「アジア太平洋リバランス」戦略の推進によって、中米両国間の不信感が強まる中で、中米両国がともに合同演習に参加することは、中国だけでなく米国にとっても重大な意義がある。今回の合同演習は、相互理解を深め、相互間の透明度を高め、不慮の事故の発生を防ぐための最良の方法は交流と協力であることを具現化している。
今回の合同演習を通じて、中米両国が友好な関係を望んでいるという前向きなシグナルを見て取ることができる。まず、中国軍は合同演習を非常に重要視しており、それは派遣された軍艦の規模から見ても明らかだ。中国軍によると、今回の演習は中米の新型大国関係と新型両軍関係を構築する重要な実践であり、中国が南太平洋諸国との友好関係をさらに強める重要な広報外交活動でもある。中国軍の合同演習参加は、中国が外部に対して軍事透明度を向上させる意思があり、米国や南太平洋諸国との友好協力関係を推し進め、世界の平和を維持し、地域の安全と安定を促すために積極的な役割を果たすことも示している。
米軍側も中国軍との理解を深めることを希望している。中国の経済と軍事力の台頭に伴って、平和を使命とする中国が国際舞台で役割を果たすのを米国が抑制することはあり得ないし、また不可能でもある。特にイラン核問題、朝鮮半島核問題、ウクライナ危機などの国際問題において、米国は中国の支持を必要とする。そのため、積極的な接触は、米軍が中国軍に対応する態度の主流となり、米国の利益に合致する選択肢となっている。
次に、中国は米国と新型大国関係を構築することを望んでいるが、新型大国関係の本質は台頭大国と守勢大国が協力を通じて大規模な衝突を避け、それを管理することである。「中米の新型大国関係」を構築する中で、中米両国の学者、政府関係者、軍高官はおしなべて、中米軍事関係が最も脆弱な部分であると考えている。現在中米経済面の協力はすでに成熟しており、経済利益共同体が形成されている。脆弱な中米軍事関係が経済協力に影響を与えているため、軍高官の相互訪問を何度も行うことを前提として中米軍事協力をさらに発展させることは、両国と両軍の利益に合致する。
第三に、世界は中米軍事関係の動向に関心を寄せている。この点は、6月30日に米国海軍太平洋艦隊のハリー・ハリス司令官がハワイで開いた記者会見での記者たちの質問からよく見て取ることができる。リムパックに参加する22カ国の軍高官が会見会場に揃い、演習に関する質問に回答したが、意外なことに、記者たちは中米軍事関係により興味を感じていたようで、最初に出された6つの質問は中国に関するものばかりになった。これに対しハリス司令官は、「今回の演習は中国と米国だけのものではない」と不機嫌に強調した。
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