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日本軍犯罪行為の動かぬ証拠

                    蘭辛珍

 「……もし付近で労働者募集があっても、応募しにいかないように皆に伝えてください。今、虎林県では約3万人の労働者が募集されましたが、大半は死んでしまいました。殴打に侮辱。それにまったく賃金を払わない。完全に乞食のような待遇です。だから決して応募してはいけないと伝えてください……」

これは1939年8月13日、黒竜江省虎林県東安工務区で労働にあたっていた張景春さんが、奉天省(現遼寧省)遼中県の王輔相さんに宛てた手紙だ。しかしこの手紙が発送されることはなかった。当時の関東軍憲兵司令部によって取り除けられてしまったのである。

75年後の今日、この手紙が取り除けられた時の摘録を、吉林省公文書館のスタッフが、同館の所蔵する日本軍中国侵略期の郵政検閲報告書の中から発見した。

吉林省公文書館の穆占一副館長は、「これは日本軍が中国侵略期に労働者を奴隷のように酷使したことの罪証だ」と指摘する。

日本の中国侵略期、各地憲兵隊は日本軍人、軍隊関連従事者、移民、居住者など日本人や、日本植民地・占領区の軍・政治関係の要人及び一般市民、外国人、特に宣教師、公使館・領事館員のやり取りする手紙、電報、電話、出版物に対して秘密裏に検査を行い、そのうち日本軍の暴行や戦争実態に触れるもの、日本軍の統治に危害を及ぼすまたは日本軍が参考として利用できる内容に対し、除去、押収、焼却、部分的塗りつぶし、そのまま発送といった処理を行い、要約して郵政検閲報告書として月報や週報にまとめていた。

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