持続可能な安全保障は、発展と安全をともに重要視して恒久的な安全を実現することだ。経済が発展し、社会が進歩し、民生が改善されて初めて、安全保障の促進に有利であることが可能になる。貧困と発展の立ち遅れは、安全性のない不安定な要素を生み出すことになるだろう。

米国と日本もアジア地域に向けた安全保障観を打ち出したが、アジアの新安全保障観と比べれば、米日の安全保障観はアジアの人々に受け入れられないものだ。米日の安全保障観の実質は、軍事同盟を枠組みとして、各国間の安全保障を差別化し、一部の国を味方につけて一部の国を攻撃するという、アジアを分裂させるものだ。米日の安全保障観はとうに時代に相応しくなくなった古い安全保障観だ。この安全保障観はヨーロッパで最初に出現したもので、軍事同盟の北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）を中心としている。現在、米国と日本はヨーロッパの「安全保障」経験をアジア地域に移植し、米日軍事同盟を中心にアジアの安全保障を分裂させるような安全保障枠組みの構築を図ろうとしている。この安全保障観はアジア地域の安全保障において重要な地位を占める中国を端に追いやる以外には、アジアにいかなる自主的な安全保障ももたらすことができない。その結果、自国の安全保障を自国で決められず、米日の言いなりになることになるだろう。

それに、米日の安全保障観は往々にして安全をもたらすものではなく、戦争と災難を招いてきた。これまでの数十年を振り返ると、米国が介入した地域はどこも安全とは無縁だった。例えば、イラクとアフガニスタンがそうだ。米国が「アジア太平洋リバランス戦略」を実行するまで、中国の南中国海地域は相対的に落ち着いていた。しかし米国や日本が介入した後、この地域はアジアにおいて最もきな臭い地域になってきた。アジア諸国はこのことから米日の安全保障観の本質を見て取れるはずだ。