周永生(外交学院国際関係研究所教授、日本研究センター副主任)
2010年、中日両国の経済貿易額は3400億ドル余りに達し、史上最高を記録した。しかしそれ以降はずっと減少傾向にあり、2013年にはわずか3150億ドル前後まで減った。釣魚島紛争のマイナス影響によるものだということは理解できる。しかし同時に、グローバリゼーションが進む中にあって、地縁的に近い2つの政治経済大国、政治経済面で緊密なつながりを持つ大国としては、起こるべきではない状況でもある。このような状況の出現は、中国にとっても日本にとってもメリットがなく、双方がダメージを被る。では、中日両国関係をどのように扱うべきなのか?特に、中日両国間の経済貿易関係をどう扱うべきか?どのような政策を取るべきか?中日両国の上層部はこうした問題を真剣に考えるべきだ。
2014年3月4日、中日韓自由貿易協定(FTA)交渉第4回会合が韓国ソウルで行われた。写真は王受文・中国交渉代表(右)、ウ・テヒ(禹泰熙)韓国交渉代表(中央)と長嶺安政・日本交渉代表。
政経分離実施の背景
経済対立においては、経済的実力が相対的に弱い国が被る損失が大きく、経済的実力が強大な国の損失は小さい。中日両国の経済実力について言うと、絶対的な大差はなく、ちょうど互角の状況にある。中国のGDPは日本の2倍を超えてはいるが、投資やハイエンド技術・設備の面では依然として日本に依存している。同様に、日本も中国の市場に比較的依存している。従って、中日両国の経済対立は必然的にルーズルーズの構造となる。一方、世界の各地域では、各地域の主要国が自国経済発展に努め、相互の連携を深め、経済協力を強めようと努力している。中日両国が長期にわたって経済的対立を続けていけば、必然的に他国の発展に遅れを取り、グローバリゼーションでも置いていかれることになり、中日両国に提供された発展のチャンスは時代遅れのものになってしまうだろう。
|