しかし自分のものでないものを奪ってはならないことは、子供でも分かる道理である。南沙諸島と西沙諸島が古来から中国固有の領土であり、中国人が最初に発見し、命名し、開発経営し、管轄し、主権を行使したことは、多くの歴史的証拠が示している。しかも1970年代中期まで、ベトナムは西沙諸島が中国領であることを公の場で正式に認めていた。1956年、ベトナム外交部は駐ベトナム中国臨時代理大使に対し、西沙諸島が中国領であることを明確に表明した。1958年、中国政府は中華人民共和国の領海を12海里内とすることを宣言し、この規定が西沙諸島を含む中華人民共和国のすべての領土に適用されることを明確に示した。中国政府がこの宣言を行ってから10日目に、ファム・ヴァン・ドン首相(当時)は、「ベトナム政府は中華人民共和国の領海決定に関する声明を承認し、この決定を尊重する」という口上書を周恩来総理に送っている。長期にわたって、ベトナム側の公式文書、教科書、地図には西沙諸島が中国領であることが明確に示されていた。
米国のアジア太平洋回帰を背景に、ベトナムは好機到来とばかりに西沙諸島を奪いにかかっているが、これは歴史を歪曲し、事実を否定する、矛盾した信義に背く行為である。
従来から続いてきた中越間の友好は得がたいものだ。中越双方には南中国海係争よりもやらねばならないもっと重要な事があり、協力すべき共同利益がまだ沢山ある。例えば、経済の発展、さらなる民生改善、南中国海地域平和安定の共同維持などだ。暴徒が在ベトナム中国系企業と人員に対し殴打や破壊、略奪、焼き討ちをしていた時、ベトナム国内には依然として中国に友好的かつ理性的な声もあった。ただこうした声は凶暴な押さえつけに遭って大きく弱められてしまったにすぎない。我々はこうした声が強まり、中越関係の主流になることを望む。
ベトナムの反中国デモは間違いなく外国企業の対ベトナム資投に暗い影を落とすだろう。ベトナムは世論をしっかりと導き、国内の民族主義的感情の過激化を防ぐべきだ。いかにして早急に自国経済の成長を回復するか。これこそがベトナムの急務である。
「北京週報日本語版」2014年6月5日 |