蘭辛珍
前世代の国家指導者たちが築き上げてきた中越友好関係が、決裂という厳しい試練にさらされている。ベトナムは歴史事実と中越関係発展の大局を顧みず、中国から西沙諸島の主権を奪おうとし、国内外からそそのかされて反中デモ・暴動を起こした。この行為は最終的には自身を傷つけることになるだろう。我々はベトナムに対し、情勢を見極め、平和友好発展の道に立ち返り、自国経済を発展させ国内民生を改善することこそが正しい道だ、とご忠告申し上げたい。
南中国海はかつて平和な海だった。時に論争が起こることはあっても、平和的発展の大局が損なわれることはなかった。フィリピン・ベトナムなど含む南中国海周辺諸国の経済は急速に発展し、人々の生活は貧困を脱しつつある。米国金融危機の「嵐」に襲われても、中国という「暴風壁」のおかげで、南中国海周辺諸国の経済が悪化することはなかった。しかし米国が「アジア太平洋回帰」戦略を打ち出すと、フィリピンが真っ先に南中国海の静けさを破った。だがフィリピンは何を得たのか?新たに米国の軍事植民地になるかもしれないことを除けば、大きな変化は起こらないだろう。フィリピンの現在の経済情勢は数年前にはるかに及ばない。
ベトナムについて見てみると、中国経済への依存度はフィリピンより高い。いわれもなく南中国海係争に加わり、中国と徹底的に決裂することになれば、その結末はフィリピンよりも悪いものになるだろう。フィリピンが南中国海の静けさを破った状況下で、ベトナムはどさくさに紛れて上手い汁を吸おうなどという山気を出すべきではない。中越関係を損なうだけでなく、ベトナムの国家イメージも損なうことになってしまうだろう。
もちろん、南中国海係争にはもう1つ主要原因がある。海底の豊富な石油天然ガス資源である。現在、南中国海周辺諸国は南中国海海域で油井1000カ所余りを採掘している。特にベトナムは近海石油天然ガスの開発を経済発展の支柱産業としている。
|