ベトナムの反中暴力事件発生後、米ホワイトハウス報道官は再び中国の掘削装置設置を「挑発行為」だとし、「同地域の安定を損なった」と非難した。南中国海問題で、ホワイトハウスはあからさまに一方の肩を持ち始めた。ホワイトハウス報道官に問い返したい。地域安定を損なっているのはいったい誰なのか?
南中国海に山ほどある多くの天然ガス田のうち、数十カ所が中国が主張する「九段線」(中国が南中国海の領有範囲主張のため地図上に引いている9本の境界線)内にあるが、これについて米国人が何か言ってきたことはない。ベトナムの暴徒が殴打や破壊、略奪、焼き討ちをしても、米国での報道は軽い扱いだった。米国による批判は、中国が西沙で初めて掘削した天然ガス田に向けられている。米国は、よくも平気で南中国海領土主権問題で「特定の立場を取らない」と発言し「公正」を標榜していられたものだ。
実際のところ、米国世論も含め世界中で、米国が南中国海と東中国海で「中立」の立場を取っているとは誰も考えていない。2012年にベトナムが海洋法を成立させ、中国が三沙市を設立した際には、米国は中国を非難したのにベトナム海洋法については触れなかった。日本の違法な釣魚島「国有化」や長期にわたる防空識別圏設置についても、米国は何も言っていない。それなのに中国が東中国海に防空識別圏を設置すると、ワシントンはたちまちしゃしゃり出てきた。
米国の「公正」な立場について、我々はもう幻想を抱いてはいない。しかし、いったい誰が地域の安定を損なっているのかについては、細かく追究するべきだ。
確かに、この地域の不安定を望む人もいる。ベトナム「青年報」によると、デモに参加すれば約100元をもらえるという携帯電話ショートメッセージを受け取った市民がいたという。さらにこのメッセージは、警察がデモを阻止できないようにするため子供を連れていくよう呼びかけていた。このショートメッセージを出したのは誰なのか?デモ参加の報酬を出したのは誰なのか?このカネの流れの源にいるのはどんな人物なのか?ベトナム政府に調査と説明を求める。彼らは地域安定の「故意の破壊者」に違いない。
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