第二に、中越の社会管理体制には似た点があるが、中国のメディア業は全体的にベトナムより開放されており、中国の世論の場がここ数年経験してきた荒波もベトナムより多く、耐性も強い。しかも両国は南中国海でも摩擦があり、ベトナムが決して得をしないことは歴史によって何度も証明されている。インターネット時代に、これらはすべて最終的にベトナムの政治的圧力とリスクに転じ、優勢に立つ中国にその懸念は存在しない。
ハノイはその民族主義的な南中国海政策と中国と似た政治路線堅持との間で綱渡りをしようとしている。このような「政治雑技」を演じるには、「高難度の技」を繰り出していると思いこむのは禁物だ。ハノイの今のやり方は、あたかも観客に大風呂敷を広げ、ワイヤーをどんどん高くし、命綱もつけず、しかも空中でふらつきながらでんぐり返しをするようなものだ。
一部のベトナム人は米国が見えない「命綱」だと思っているようだが、全くもって単純すぎる。言い切ってもいい。すべての社会主義国家の転覆を狙う米国とベトナムとの間に、相手のために犠牲も厭わないような協力関係が成立することは不可能だ。中国との敵対は米越間の相互不信を解決する良薬ではない。
ベトナムが中国の西沙における掘削作業に抗議してすでに十日が経ち、そのエネルギーもおおかた出し尽くした。ベトナム側が早急に挑発行為をやめて改心し、現実主義的な対中国姿勢を取り戻し、従来からの友好関係と共通の路線を重要視することを望む。ベトナム側が自制せず、西沙方面でさらに大きなリスクを冒す、或いは奇計で虚をつき、南沙方面で新たに危険な行動に出たりするのであれば、中国はこう回答するだろう。「高く飛び上がれば飛び上がるほど、落ちた時の衝撃も大きくなる」。
「北京週報日本語版」2014年5月14日 |