潭門漁業協会会長の丁之楽氏は7日、記者に対し、「おおまかな統計によると、2000年以降、南中国海で操業する潭門漁民が周辺国から理由なく追跡、拿捕、強奪、武装攻撃された事件は117件起きており、5人が銃殺され、714人が理由なく攻撃されたり拿捕されたりしている」と語った。2009年以降、中国の漁民保護力はかなり強化され、国力と巡視力の増強により、周辺国の漁船攻撃・拿捕事件は減る傾向にある。丁之楽氏は、「中国の船が普段漁に出る際、多くの中国公務船を目にする。半月礁は九段線(中国が南中国海の領有範囲主張のため地図上に引いている9本の境界線)に近い。この海域でも通常巡航は行っているが、南沙諸島の全体海域は広すぎ、100余りの島礁がある。監視船には海洋警察と漁政局のものしかなく、どの島礁も常にカバーすることは不可能だ。そのため突発事件が発生してしまう」と話す。
中国海洋発展研究センター研究員の郁志栄氏は、「黄岩島事件後、南中国海での漁民拿捕事件が減少していることは、中国の漁民保護力の向上を示している。今回起きた事件では、中国漁船三、四十隻が集団操業中、補給か避難等の理由で単独操業していた2隻が、フィリピン武装船に拿捕されたのだろう。漁民は今回の件から教訓を学ぶべきだ」と指摘する。郁志栄氏はまた、「西沙諸島における中国とベトナムの対立激化に乗じて、フィリピンはこれに呼応し、後ろ盾を得て怖いもの知らずのふるまいに出ている。こうしたやり方は違法であるだけでなく非道徳的で、『下劣なやり口』だ。中国は外交ルートを通じて強く抗議し、フィリピンに対し下劣なことはしないよう警告する一方で、漁民の安全保護措置を講じる必要もある。漁民のほうも適切に操業方法を変更するべきだ」と述べている。
中国海洋学者の黄勝友氏は、「黄岩島事件が不首尾に終わった後、フィリピンは段階的な挑発を繰り返し、南沙での動きを強めている。これに対し中国は断固として対応するべきだ。フィリピンが早急に釈放しなければ、対抗措置の強化も可能だ」と指摘し、「中国のほうから問題を起こすことはないが、向こうが面倒を起こすというなら、こちらも反撃に出る」と述べた。(環球時報)
「北京週報日本語版」2014年5月9日
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