「1ベルト1ロード」は、まずユーラシア大陸を横断する鉄道、道路、航空路、海上輸送、石油・天然ガスパイプライン、送電線、通信網から成る総合的かつ立体的な相互接続交通網である。この交通網は世界経済のエンジンであるアジア太平洋地域と世界最大の経済体であるEUを結びつけ、ユーラシア大陸に新たな発展の余地と機会をもたらし、東アジア・西アジア・南アジア経済影響圏を形成するだろう。当該地域諸国間の政策交流、道路連結、滞りない貿易、通貨流通と民心の交流を実現し、それによってこの地域の経済発展を牽引し、社会経済繁栄と平和、調和、安定を実現する。これらの国との資金の流れ、物の流れ、人の流れ、情報の流れなどの面の協力を進め、新たな経済成長ポイントを活性化し、中央アジア、西アジア、南アジア、ないしはASEAN地域の経済繁栄と発展を促進する。貿易投資の利便化を推進し、経済技術協力を深化し、最終的にユーラシア大市場を形成することは、「1ベルト1ロード」建設の基本方向と目標となるはずだ。
中国の「1ベルト1ロード」は、ロシア主導のユーラシア一体化プロセスや米国の「新シルクロード」と比べ、最大の特徴は開放性と受容性である。ロシア主導のユーラシア一体化プロセスの目的は関税同盟とユーラシア経済連合を通じて旧ソ連地域諸国を再び統合することであり、中国の参加を排除している。米国の「新シルクロード」計画は中央アジア地域のためにアフガニスタン、パキスタンとインドを通ってインド洋へと南下する道を切り開き、それによって中央アジア諸国がロシアと中国への依存から脱することを可能にするものだ。このほか、欧州のTRACECA(欧州-コーカサス-アジア輸送回廊)計画も同様に中央アジア諸国がロシアへの依存を脱するためのものだ。中国の「1ベルト1ロード」には排他性はなく、いかなる国と地域も希望さえすれば参加でき、発展成果を共有できる。「1ベルト1ロード」とロシアの「ユーラシア横断発展ベルト」とを効果的につなぐことができれば、ユーラシア経済一体化を促進し、ユーラシア大市場が築かれ、アジア太平洋諸国と欧州各国がともにユーラシア大陸経済統合に参加するという新構造を共にリードし、それによって今の世界経済版図に重要な影響を及ぼし、新たな世界政治経済秩序の形成を促進することができる。
「北京週報日本語版」2014年4月22日 |