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2つの「シルクロード」でCICA加盟国経済協力を促進

          李新(上海国際問題研究院ロシア中央アジア研究センター主任)

 

アジア太平洋地域は21世紀の世界経済の中心になりつつある。この点について疑いを差し挟む人はすでにいない。この地域は世界のGDPの57%を創出した。しかし、今この地域は厳しい安全保障情勢に直面しており、不信頼と地政学的な競い合いがヒートアップしている。朝鮮半島情勢が緊張し、日本は軍国主義復活を企み、アジア太平洋・南アジア地域の領土争いは激化し、西アジア情勢は不穏で、多くの国がテロリズム、過激主義、地方分離主義、組織的犯罪と麻薬密輸に悩んでいる。「冷戦」の終了後、この地域で「断片化」が進んだことで、各国・各地域の経済発展は孤立したものになり、効果的な経済融合を欠き、世界経済との一体化や地域経済一体化プロセスと相容れない状況を呈している。この地域は経済一体化の度合いが低く、各国経済の発展レベル格差が大きく、欧米が推進する「一軸両翼」(北米自由貿易協定・TPPとTTIP)世界経済一体化プロセスから遊離している。このプロセスと多国間サービス貿易協定は西側が主導するもう1つのWTOを構成すると見られている。

アジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)はアジアの安全保障対話の場として、平和・調和・団結の精神に則り、対話と信頼、協力を強化し、共に発展し、ウィンウィンを実現し、平和で安定した新しいアジアの構築に努めている。CICAはアジアの安全の安定化装置の役割を果たすべきであるし、またそれが可能である。中国はメンバー国とともにCICA体制構築を促進し、関連分野の協力を深化し、信頼強化措置を実施し、地域の調和のとれた発展を促進していく。安全、協力、発展は5月に行われるCICA上海サミットのテーマになるだろう。経済協力と発展はCICAの重要な構成部分であり、安全と経済は相互に促進し合い、共に発展していくものである。CICAがメンバー国間の貿易と投資を通じて経済協力を発展・強化し、技術交流を通じて貿易と経済関係を統合する必要性はますます顕著になってきている。CICAは経済分野の協力方向を、「様々な形式の交通網を発展させ、安全で高効率の輸送回廊を建設し、CICA地域の輸送とエネルギー供給の効率と安全を高め、メンバー国間の貿易・投資・金融・観光協力を拡大し、通信と情報技術分野の協力を奨励し、経済貿易データベースを構築する」としている。習近平主席が打ち出した「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」共同建設の提案は、CICAメンバー国の経済協力にとって重要な推進力となるだろう。

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