先頃、日本など各国外相が広島で「核軍縮・不拡散イニシアチブ」(NPDI)外相会合を行い、「広島宣言」を採択、米国やロシア、中国を含む多国間核軍縮交渉の実施を呼びかけた。
核軍縮の推進と核兵器のない世界の実現は国際社会共通の願いであり、核兵器保有国はそのために少なからざる努力をしてきた。しかし今の日本が先頭に立って核軍縮を大いに論じることは、多くの人から見て唐突であるだけでなく、滑稽でもある。
それは、核兵器問題において、日本は言うことと実際が違う悪しき前例が実に多すぎるからだ。第2次世界大戦中から、日本は秘密裏に核兵器の研究開発・製造を試みていた。戦後、米国の核の傘の下にありながら、日本は依然として核兵器開発の夢を捨てきれなかった。冷戦中、日本は研究の名目で米国から300キロ余りの兵器級プルトニウムを受け入れたが、これは40~50個の核兵器を製造するに足る量だ。現在のところ、日本はまだ1.2トンを超える高濃縮ウランと約44トンの分離プルトニウムをストックしている。これらのデリケートな核物質は日本の正常な需要をはるかに超えている。
日本の核兵器問題における信用は、その虚言によってとうに暴かれ破綻をきたしている。周知の通り、日本は敗戦国として「核兵器を持たず、作らず、持ち込せず」という「非核三原則」の順守を世界に公約している。しかしこの原則は、冷戦中に日米の「核密約」によって破られていた。日本政府は長期にわたって「核密約」の存在を否定し、日本国民と世間の人々を半世紀にもわたって欺いてきたのだ。
それだけではなく、右翼政治勢力の推進の下で、日本ではここ数年、核兵器開発に関するよからぬ動きがまた始まっている。今年2月、岸田文雄外相は、「米軍が緊急事態の際に核兵器を日本に持ち込むことに反対しない」との考えを公にした。この発言は日本の「非核三原則」にゆゆしく違反しており、日本の核政策の「越えてはならない一線」が揺らいでいることの明確なシグナルと見なされた。
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