暁岸(本誌特約評論員)
米国のバラク•オバマ大統領は4月23日から日本、韓国、マレーシア、フィリピンのアジア4カ国を訪問する。今回の日程に中国は含まれない。しかしワシントンの一部が「リバランス」推進を強く言い張っても、米国が中国抜きで独力でアジアの検討課題を担うことはできないという事実は否定できない。
「リバランス」を重ねて言明
オバマ大統領の4月のアジア歴訪ルートはちょうど中国の東側に線を引いた形になっており、米国のアジアにおける最も重要な3つの同盟国をつなぎ、領土・領海争いで注目される南中国海と東中国海を通っている。
オバマ大統領が就任以来アジアを訪問するのはこれが3度目で、これまでの訪問国は中国、日本、韓国、インド、インドネシア、タイ、ミャンマー、カンボジアを含む。そのうち日本と韓国は2度オバマ大統領を迎え入れており、米国のアジア太平洋同盟体系における両国の重要な位置が際立っている。
今回の歴訪ルートを示す線上には東南アジアの国も2つあり、ASEANをさらに引き込もうという意図は明白だ。オバマ大統領が間もなく訪問する4カ国は米国が主導する「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)にとっても重要な意義がある。マレーシアと日本の対米二国間交渉は正念場に入っており、韓国とフィリピンはすでに交渉参加を決定している。
オバマ政権は中国の台頭を米国が優先的に対応せねばならない戦略課題の1つとしており、これまで3年、「アジア回帰」戦略調整を通してアジア太平洋地域の勢力均衡を維持することに腐心してきた。ワシントンが繰り返し「リバランス」は中国を念頭に置いたものではないと声明を出しても、中国側の疑念を払拭することはできなかった。中国では、多くの人が米国のアジア太平洋政策は次の2つに分かれていると思っている。1つは中国と協力し、成長し続ける中国の影響力を借りて米国経済を復活させ世界を管理するためのもの。もう1つは中国の発展に枠をはめ、中国が米国の世界のリーダーとしての地位に取って代わるのを阻止するためのものだ。
3月31日、韓国浦項(ポハン)で米韓合同軍事演習の一環で行われた上陸訓練「ダブル・ドラゴン」。(新華社)
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