本誌記者 繆暁陽
今、釣魚島問題、歴史問題、軍事安全相互信頼など多くの問題が同時に発生し、中日関係は国交正常化以来最も厳しい局面に陥っている。今年の全国両会で、「どうやって中日関係を今の膠着状態から抜け出させるか」が盛んに議論された。
多くの問題が同時に発生
李克強中国国務院総理は3月5日、第12期全国人民代表大会(全人代)第2回会議で行った政府活動報告で、「第2次世界大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序を守りぬき、歴史の流れを逆行させることは決して許さない」と強調し、中国政府のこの問題におけるはっきりした立場と揺ぎない態度を厳然として明らかにした。
3月8日、第12期全人代第2回会議の記者会見で、「中国の外交政策と対外関係」について国内外記者の質問に答える王毅中国外交部部長。(王翔撮影)
「李克強総理の演説は中国人民の心の声を代表し、平和を守る中国の責任を体現している。我々は完全にこれを支持する」。王毅外交部部長は8日、第12期全人代第2回会議の記者会見で中日関係について日本の記者の質問に答えた際、「中日は隣国であり、本来なら仲むつまじくつきあうべきだ。現在の局面は我々が目にしたくないものであり、中日両国人民の利益にも合致していない」との考えを示した。
現在の中日関係について、全国政協委員・中国駐日本大使の程永華氏は本誌記者の取材を受けた際、「今、中日関係は1972年の国交正常化以来最も厳しく、最も困難な局面に陥っている。主な特徴は、多くの問題が同時に発生していることだ。際立っているのは、釣魚島問題、歴史問題、軍事安全相互信頼問題だ」と述べた。
程永華大使はさらに次のように語った。「2012年9月、日本政府は不法に『島を購入』し、中国の主権をゆゆしく侵犯し、両国が達した共通認識を壊し、釣魚島紛争をしかけてきた。また2013年12月26日には、A級戦犯を奉る靖国神社を日本の指導者が参拝し、もともと困難だった中日関係にさらに新たな政治的障害をもたらした。さらに、近年日本の一部右翼人物や右翼勢力が絶えずいざこざを起こし、故意に『中国脅威論』を唱え、誇張して、これを機に日本の軍事安全保障政策を変えさせようとしている。上記の問題は中国人民の感情を傷つけただけでなく、同時に中日関係の基盤をも壊した」。
程永華氏は「中日関係を発展させる上で、最も根本となるのは中日間の4つの政治文書を適切に順守することだ」と述べ、次のような考えを示した。「この4つの文書とは、1972年の『中日共同声明』、1978年の『中日平和友好条約』、1998年の『平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する中日共同宣言』、2008年の『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』である。この4つの文書は、双方が歴史や釣魚島等重大問題を処理する際の原則を明確に記載し、規定している。これは、両国が一連の協議と話し合いを経て合意した重要な共通認識であり、忠実に守り徹底していかなければならない」。
3月4日、第12期全国政協第2回会議グループ討論後、『北京週報』記者の取材を受ける全国政協委員・中国駐日本大使の程永華氏。(石剛撮影)
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