専門家、「国際社会は共同で日本の『核兵器衝動』を抑止すべき
今回の「核兵器疑惑」は根拠がないわけではない。日本の一部の政客は公の場で何度も核兵器開発支持を表明している。1994年6月17日、当時の羽田孜首相は「日本には確かに核兵器保有の能力がある」と発言。2002年には、当時民主党トップだった小沢一郎氏が、「急速に増強される中国の軍事力に対抗するために、日本は核兵器生産開始を計画している。日本の原子力発電所が保有するプルトニウムで、核弾頭が3000~4000個生産できる」といった主旨の発言を行っている。
「日本国内では反核傾向が今も主流だが、日本の『自制力』は全体的に低下しつつあり、危険な野心が頭をもたげている」と指摘する分析もある。中米露など大国は、核兵器不拡散など原則上で協力し、日本社会のいかなる常軌を逸し道理に背く考えも断固として断ち、曖昧な余地を残さないようにすべきである。
海外メディアがこれまでに報道したところによると、日本の本州北部にある六ヶ所村の核施設では、毎年9トンの兵器級プルトニウムを生産することができ、これは核弾頭2000個を製造するのに十分な量だ。日本は「核兵器クラブ」に入る資源も能力も持っている。もしかしたらイスラエルと同じようにとっくに核兵器試験を行っていて、単に認めたくないだけかもしれない。
軍事専門家の邵永霊氏は、「各国は『日本の核兵器装備』を警戒しなければならない」との見方を示す。現在、東北アジアの情勢はすでに非常に緊迫している。中日の釣魚島問題、日韓の独島問題、朝韓問題には、米国要素が混じる。こうした状況下で日本が核兵器を開発すれば、大きな波紋を広げることになる。
香港誌『アジア週刊』は、台湾地区の元海軍中将、蘭寧利氏の観点を引用し、「日本は核兵器製造の潜在能力を持っているが、本当に核兵器を作れるかどうかのカギは、米国の態度にある。米国は日本が一定の核潜在能力を保有することを望み、日本の核原料輸入に対して寛容な態度を見せると同時に、日本が『いちかばちかの大勝負に出る』ことを警戒する必要もある。米国が日本に核原料返還をねんごろに促していることは、日本に対する懸念と懐疑の反映だ」とした。
こうしたことから、日本の核兵器開発防止策について、社会科学院日本研究所の学者である寵中鵬氏は、「日本の『核兵器衝動』の抑止を、中国と米国の『戦略共通点』とすることができる」と指摘する。
日本が核兵器開発を狙っているとの疑念は、ここ数年の右傾主義と軍国主義勢力台頭の表れの1つであるにすぎない。類似した動きとしては、兵器輸出禁止令修正の動き、インド・ASEAN諸国などへの防衛装備輸出の推進、水陸両用部隊の組織と積極的な米国海軍陸軍との島奪取上陸演習、「准空母」建造とF-35戦闘機など先進兵器導入計画、釣魚島に接近した中国軍機を強制着陸させるための対策整備などもある。
解放軍済南軍区某部の教授である楊運忠氏はこれについて、「日本の東アジア平和に対する脅威は日増しに深刻化し、中国を軍事上最大の脅威、主要な対抗相手と見なし、軍備を急いでいる」と分析する。日本の現在の直接的な挑発と今後の戦略方向は、中国の主権安全と発展利益に対する現実的な脅威であり、中国が平和的台頭をする上で必ず通らなければならない「正念場」なのである。(高辰)
「北京週報日本語版」2014年2月24日 |