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甲午戦争から120年、その警告と教え(2)

  劉江永(清華大学当代国際関係研究院副院長、中日友好21世紀委員会中国側委員)

(5)日本民族は従来から負けることを嫌い、危機意識が強く、情報意識が強く、緻密な調査研究能力が高く、集団協力精神が強い。しかし日本の一部の指導者には哲学的思考と正しい戦略的思考が欠けており、障害にぶつかると戦略を調整するが、徹底的に失敗しなければやり方を根本から改めはしない。歴史上、日本はロシアや米国に対し相対的劣勢にある状況で、機先を制する奇襲で戦争を発動しており、絶対的優位に立ってからの開戦ではなかった。そのため、21世紀の東アジアの平和と安全は、日本が自己規制を保ち、国際社会と国際秩序の有効な制約を受けられるかどうかで決まるところが大きい。日本はこれまで一貫して強者と組んできたが、対外武力行使をするかどうかのカギは、『日本国憲法』第9条が引き続き遵守されるか否かにかかっている。日本が明治時代の『大日本帝国憲法』下で結んだ日英同盟と日独伊三国同盟は対外侵略拡張の道具だったが、戦後の平和憲法下で結んでいる日米同盟には対外侵略的要素はない。今後、日本が憲法をどう改正するかで日本の国家モデルがどう転換するかが決まり、かなりの割合で今後の日米関係や中日関係の行方を決めることになるだろう。

(6)兵器、情報、協調、指揮、意志などの面での格差は、戦場の勝敗や死傷者の多寡を決める重要な要素となる。甲午戦争前、対中作戦案を決めるに当たって、日本はまず様々な方法で中国の情報を探った。陸奥宗光外相が近代日本外交を切り開いて以来、日本は特に世論戦・情報戦と外交戦を結びつけることを重視してきた。そして今、NSC(国家安全保障会議)の主要職能の1つは中国に関する各種情報の収集と検討・評価である。2013年、日本は中国に透明度を高めるよう要求し続ける一方で、『特定秘密保護法』などを通じて自国の透明度を下げ、自国民の知る権利を制限した。これは正常な事態ではなく、日本が対中国戦準備を急いでいるという秘密をかえってあらわにすることとなった。中国としては、尊大になって敵を軽視し、「憂いあるも備えなし」といった事態を努めて避け、実情にそぐわない予想や幻想を捨てて、中国の総合国力増強を中心に、経済や科学技術、国防建設を強化していくべきだ。これこそが国家主権と安全を守り、東アジアの平和を防衛するための鍵である。

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