2014年世界経済は穏やかな成長見込まれるも、リスクは依然存在
世界経済を見てみると、2014年は非凡な1年になるに違いない。経済グローバリゼーションと地域経済一体化は縦方向に深く進展し、国際競争はルール制定へと転じていくだろう。発展について見ると、2014年は世界経済が「底を打ち落ち着く」回復の年になり、穏やかな成長傾向が続くと見られ、南北の発展構造に変化が生まれるかもしれない。
(1)世界経済成長の範囲が広がるだろう。2年の低成長を経た後、2014年の世界経済成長範囲は明らかに広がると見られ、しかも世界経済成長は穏やかな上昇があるかもしれない。多くの国の発展にも好転が見られるかもしれず、主権債務危機に陥った南欧諸国経済であっても底を打ち回復が見られるだろう。
(2)先進国と新興市場がともに世界経済成長を牽引するだろう。2008年の金融危機以降、新興市場の世界経済成長貢献率は年平均で70%を超えていた。2013年は新興市場経済成長が減速したものの、依然として世界経済の主要なエンジンであった。
(3)グローバリゼーションが新たな高まりを見せるかもしれない。危機後、グローバリゼーションの趨勢は明らかに弱まり、地域経済一体化が非常な勢いで進んだ。WTO事務局長が交代した後、すぐにドーハ・ラウンド「早期終結」交渉再開を決断し、年末にインドネシアのバリ島で行われたWTO閣僚会議で、さまざまな困難を乗り越え最終的に「バリ・パッケージ」を妥結、ドーハ・ラウンド交渉の12年にわたる膠着局面がようやく打破された。同時に、WTO内「サービス貿易協定」と「情報技術協定」の交渉が一部範囲内で進んでいる。これらすべては、人々が終わりのない、対処に疲れる、しかもグローバル市場を断片化させる2国間/地域自由貿易協定の仕組みを反省し、多国間協力へと転じていることをはっきりと表しており、新たなグローバル化の高まりが起きつつあることを予見させる。これは世界経済にとって最大の好材料だ。
(4)世界経済発展の不確定性が多い。1つには、2014年にFRB(米連邦準備制度理事会)が量的緩和政策を打ち切っていくことは確実と見られ、これにより世界の資金の流れが大きく逆転し、大量の資本が新興市場から流出し、金融市場が揺さぶられ、新興市場のマクロ経済リスクが高まる。2点目として、日本の「アベノミクス」効果が尽き、消費税率引き上げに伴って、日本経済成長が減速するか、債務危機や銀行システミックリスクが引き起こされることも考えられ、アジアは真っ先にその打撃を被るだろう。3点目として、FRBの量的緩和政策打ち切りによりドル指数が強まり、世界の大口取引商品価格が引き続き下落する可能性もあり、新興資源輸出国の国際支払と国内資金チェーン断裂等を招くかもしれない。これらすべてが世界経済の発展に脅威を与えると見られ、政策決定者、特に新興市場は警戒を強めなければならない。
「北京週報日本語版」2014年1月2日 |