第三に、日本国内を見てみる。参拝はようやくもたらされた相対的に安定した国内政治局面に分裂を生じさせ、貴重な政治資源と精力を分散させ、その最重要政治目標である景気回復の実現を揺るがすだろう。安倍首相が2度目の政権を取れた主な民意基盤は2つあり、1つは経済再建への期待、もう1つは政治安定への切なる要求である。自民党は衆参両院選挙で過半数を獲得し、日本に長年欠けていた政治的安定を実現し、大胆な経済改革を行うための貴重な政治資源がもたらされた。しかし靖国神社問題に関して、日本国内の見方は一貫して重大な対立が存在している。「アベノミクス」の実施という肝心な時期の参拝は、日本の政治社会世論の分裂を招き、それにより得がたい発展のチャンスを逃すことになるだろう。日本の経済成長と国際競争力が保障されなければ、日本の国益など語るまでもない。
安倍首相は、靖国神社参拝はまさしく日本の長期的国益を考慮してのことだと弁解するだろうが、周辺外交、日米同盟、内政経済のいずれから見ても、このような行動の客観的結果はその主観的な意図とは相反するものだ。安倍首相は自分だけの利益で日本の国益を私物化したのである。
「北京週報日本語版」2013年12月30日 |