二、成長率7~8%維持に、マクロ経済政策の支えあり
2013年は、成長率7~8%をめぐって、相応のマクロ経済政策体系が全面的に形成される時期となった。これには、マクロ調整目標(雇用維持をボトムライン、インフレ抑制を上限として、実質経済成長率目標をおよそ7.5%前後に保つ)の確立などが含まれる。都市インフラ、省エネ・排出量削減、情報インフラ、全国鉄道網などの建設を強化し、経済モデル転換・グレードアップ活動を力強く支えた。改革にいっそう力を入れ、資源配置における市場メカニズムの役割を積極的に発揮し、こうした分野に対する民間資本の投資を大いに奨励した。通貨政策は、資金チェーンと通貨金融環境を安定させ、実体経済発展とモデル転換・グレードアップの必要性を満たしながら金融リスク急増を防ぐ面でも効果を上げ、重要な経験を積んだ。7~8%の経済成長率維持を支える上で、マクロ経済政策はますます顕著な役割を発揮し始めている。
三、成長率7~8%維持に、国情と発展段階で決定されるファンダメンタルの支えあり
中国経済は改革開放初期段階に比較的大きな変動を経た後、1990年代中頃以降、全体的に安定した比較的速い発展期に入り、経済成長率は7%以上を保ってきた。その基本的な原因は、工業化と都市化の急速な推進である。改革開放により市場メカニズムの資源配置能力が増強され、その範囲が拡大し、人々の創業意欲の高まりと生活水準向上が生産・市場ニーズの両面から工業化と都市化の急速な推進を後押しした。また、中国の極めて大きな人材資源優位性、高貯蓄がもたらす資金優位性、対外開放と自主革新が結びついて形成された技術供給優位性は、工業化と都市化の急速な推進を力強く保障した。こうした基本条件は今も存在しており、本質的に変わっていない。
潜在的経済成長率の面では、人口ボーナス消失、制度による技術革新能力の弱まり、資源環境による制約の増加は、さらなる経済成長減速を懸念する重要な根拠になっている。しかし、2012年の中国生産年齢人口は9億3000万人、都市部就業者は3億7000万人、農民工(農村からの出稼ぎ労働者)は2億6000万人おり、これらのデータは現在中国に労働力資源不足が存在しないことを示している。技術革新面では、中国は単純な導入から学習、消化吸収をベースにした革新、オリジナルの革新への転換段階にあり、ますます高まる現実的必要性に迫られ、技術革新支援制度が改革され整備されつつあり、制度に後押しされた技術革新能力が増強されつつある。また、資源の節約と環境保護面の成果は、中国が持続可能な発展の道を歩みつつあることを表している。これらの事実は、こうした問題により中国の潜在的経済成長率が減速しないことをはっきりと示すものだ。この他、高貯蓄率優位性も保たれており、現在、人民元預金残高はすでに100兆元を突破、個人預金規模は45兆元を突破し、いずれも社会全体の固定資産投資規模を上回っており、経済建設を支える資金供給は保障されている。人材、資金、技術など生産要素供給の角度から分析すると、中国の潜在的経済成長率は現在も7~8%の間にあり、経済モデル転換・グレードアップの推進にともなって改革や新型都市化による恩恵がますます増え、成長率は今後さらに高まると予想される。
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