端末市場は再び仕切り直し?
現在、中国の携帯電話端末保有台数は12億台だ。劉澄氏は、「2014年に少なくとも10人に1人が4G携帯電話端末に買い換えるとすると、中国市場の4G携帯電話端末販売台数は最も少なくても1億台を超える」と予測、さらに「携帯電話端末メーカーは再び市場の仕切り直しに直面するだろう」と指摘する。
中国の移動通信市場が発展し普及したのは1990年代のことだ。最初に展開されたのは2Gネットワークである。中国の2G携帯電話端末市場では、ノキア、モトローラ、フィリップスが三大巨頭と呼ばれ、この3社でほとんど市場全体を占めていた。しかし2009年に中国で3Gネットワークが展開されると、三大巨頭は一夜のうちに叩き潰されたがごとく急速にシェアを下げ、中国携帯電話端末市場はたちまちサムスン、聯想(レノボ)、華為(ファーウェイ)、酷派(クールパッド)、アップルなどのブランドで占められた。
ノキア、モトローラ、フィリップスが中国市場で失敗した原因は、通信の進歩についていけなかったことだ。3Gネットワークの発展により、中国の消費者は携帯電話端末を単純な音声通話ツールと見なさなくなり、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるツールだと考えるようになった。
3Gネットワークと比べ、4Gネットワークはさらに高速で、もたらす応用の将来性も無限に想像をかき立てられる。例えば現在3G携帯電話端末ではQQや微信(WeChat)など主流SNSアプリでフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが可能だが、実際の使用効果は満足のいくものではない。3Gではビデオ通話画質が悪く、アクセススピードが遅いが、4Gネットワークでは携帯電話端末でのビデオ通話がより鮮明になる。4Gネットワークは動画サイトに発展のチャンスをもたらし、将来はオンライン教育の実現可能性が高まるだろう。4Gネットワークでは携帯電話端末上の遠隔操作が可能になり、携帯電話端末上の関連アプリケーションを通じてコンピューターを遠隔操作したり、コンピューターや携帯電話端末から携帯電話端末を遠隔操作できるようになる。こうした応用が増えることで、携帯電話端末で実現できることが広がり、遠く離れたユーザー間で新たなインタラクティブ交流が実現し、人々の生活とビジネスに新しい変化がもたらされるだろう。この他、ケーブルテレビが淘汰されるかもしれないという声もある。4G信号を用いれば、テレビをすべてのテレビ番組に直接リンクさせることができるからだ。
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