総じて言えば、現在の日本自身の状況と日本が置かれている環境はプラス要因よりマイナス要因が多く、アベノミクスが大きな成果を上げることは難しいと思われる。しかし、日本経済の適度な回復は悪いことではなく、世界経済と中国経済にとってもプラスになる。
アベノミクスは短期的には日本経済の復活と回復に一定の役割を果たすが、結局のところどれだけの役割を果たせるか、長期的に有効かどうかを判断するには、さらに観察が必要だ。
日本経済はすでに高度に発達しており、「限界効用逓減の法則」に基づくと、さらに高い経済成長率を実現するのはほぼ不可能だ。最高でも2~3%だろう。経済学理論の他にも、20数年来の先進国の歴史もこの点を証明している。1990年代中期のクリントン時代に米国経済が4~5%前後の成長率を実現した以外、欧州も日本も3%の「関門」を超えたことはない。
日本経済がどこまで回復するかについては、中国経済の発展状況を見る必要もある。中国経済が今後も比較的高い成長率を維持することは、日本経済に良好な機会を提供するだろう。
東南アジア、特にメコン川流域は日本が非常に注目し今後重点的に開発する地域であり、日本はこの地域への投資を増やすだろう。これらの国の経済発展にともない、日本は投資のリターンと潜在市場を手にし、廉価な資源とエネルギーを手に入れることになる。将来大国間の熾烈な競争が起こると見られているこの地域は、大いに重視する価値がある。
国際政治と周辺環境は日本にとって不利だ。少なくとも現在は不利な状況にある。経済発展には平和で安定した周辺環境が必要だが、今のところ日本は中国や韓国との関係緊張の最中にあり、しかも短期的には対立解消が難しそうだ。安倍政権の右傾化傾向も変わる様子がないため、中・日・韓の間の天秤は中韓両国に傾いており、日本にとって不利である。これも安倍政権の弱点になるだろう。
「北京週報日本語版」2013年12月16日
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