これらの政策を推進するために、安倍首相は前日銀総裁の退任を促し、自分の政策を支持する新総裁を就任させ、円安を積極的に推進するなど多くの措置を打ち出し、実施した。では、アベノミクスはどのような効果を上げたのだろうか?
失業率に関しては、2012年11月~2013年9月、全体的にそれほど改善は見られていない。しかし、米国(7%)やEU(10%以上)と比べると、日本の失業率はずっと比較的低い水準を保っている。物価については、6月以降、消費者物価指数が上昇傾向にある。
輸出に関しては、はっきりした改善は見られていない。つまり、円安の輸出に対する効果は大きくなかったということだ。分析によると、これは主に中国を含む新型工業国の経済成長率鈍化により日本に対する需要が減少したためである。
アベノミクスはどこまでいけるのか?
アベノミクスの成否を判断するには、短期的効果ではなく長期的効果を見る必要がある。短期的に経済を「活性化」することはそう難しくはなく、政府がより多くのカネを使う(量的緩和政策を取る)つもりがあれば可能だからだ。しかし長期となるとそうはいかない。経済には「自己循環」が必要、つまり市場の力を発揮させる必要がある。しかし、市場が力を発揮するには条件が必要だ。例えば投資機会の有無である。企業は経済的に将来性が見込めなければ盲目的な投資は行わない。投資がなければ収益もなく、企業に収益がなければ従業員もより多くの収入を得ることはできず、消費能力が萎縮する。そのため物価は下がり、企業の利益はさらに減り、従業員の収入もさらに減少する。これがデフレの怖いところだ。日本経済は長期的デフレに陥っているため、このような局面を変えようという原動力がある。これもアベノミクスが日本各界から高く評価される理由だ。
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