米国は『カイロ宣言』の調印国であると同時に第2次世界大戦戦勝国でもあり、中米両国はこの世界反ファシズム戦争で大きな犠牲を払った。記録を調べてみると、米国は1942年2月、国務省に「戦後対外政策諮問委員会」を設立し、戦後の日本処理について2つの方針を固めた。それは、「第一に、日本の領土を中日甲午戦争(日清戦争)前に戻す。第二に、日本に民主政治を築き、親米傾向を育てる。そのため、いかにして日本を平和を脅かさない国にし、国際社会に復帰させるかを重点的に検討しなければならない」というものだった。今日、米国政府が東アジア地域の平和と安定を守りたいのであれば、自身の立場の原点を決して忘れてはならない。
中国にとっては、『カイロ宣言』70周年を記念することにはさらに特別な現実的意義もある。1つには、この重要文書は国際法上台湾及び釣魚島を含む付属島嶼が中国の神聖な領土であることをはっきりと認めているため、我が国が釣魚島主権を守る上での国際法根拠となっている。その一方で、『カイロ宣言』は中華民族が覚醒と抗争を経て勝利したことを象徴する文書でもある。アヘン戦争以降、長い歴史を持ちながら貧困にあえぎ国力の弱さに苦しんできた国が、ついに再び世界の尊重と承認を受けたのである。この歴史は永遠に人々の心に銘記されるべきだ。
日本政府がかたくなに間違った立場を堅持しているため、現在両国の外交に深刻な困難が生じ、ひいては経済や文化、教育などの分野にまで波及しつつあり、一定の悪影響が出ている。こうした事態に、中日両国の有識者や両国関係に関心を払う友好人士は焦慮の念を抱いている。中国政府は日本が交渉のテーブルに戻り、両国関係を正常化することを期待すると同時に、依然として友好的な大局を守ることに力を入れており、両国の正常な接触と交流が影響を受けないことを望んでいる。しかし現在、安倍政権が実用主義的な裏表のある対中政策を取っているため、中国側は友好的往来を維持し、促進することができずにいる。統計によると、2013年1~9月、両国間貿易は7.8%減少し、両国間の人の行き来は24.6%減った。両国関係を改善し、民間感情が離れるのを防ぐことが、眼前に迫った課題になっている。
反ファシズム戦争勝利50周年にあたる1995年、当時日本の首相を務めていた村山富市氏は、日本の侵略戦争犯罪について戦争被害国に対し厳粛な謝罪をし、日本は歴史を深く反省し、平和的発展の道を今後も歩み続けるとの考えを示した。これこそがそもそも日本が選ぶべき正しいやり方だったのに、現在の日本の執政者は「侵略の定義は定まっていない」とのでたらめな言論を公然と撒き散らし、国際正義に反しただけでなく、歴史の事実に背き、是非を転倒する尋常ならざる状況へと自身を追いやっている。日本の執政者が正しく歴史に向き合うことができなければ、永遠に戦争被害国の許しを得ることはできず、そして日本自身も最終的に高い政治的代価を払うことになるだろう。
「北京週報日本語版」2013年12月9日 |