好戦性に満ちた「積極的平和主義」
軍事力を頼りに地域の「リーダー」を演じようとする日本は、いったいどのようにその役割を果たそうとしているのか?今年9月、「国家安全保障戦略」策定に際し、安倍首相は「積極的平和主義」(Proactive Contribution to Peace)と名づけた「21世紀日本戦略の旗印」を持ち出し、さらにこれを『新防衛大綱』に盛り込む意向を示した。
安倍首相は「積極的平和主義」について詳しい説明をしていないが、「国際協調主義に基づく」という修飾語をかぶせることでこれを美化しようとしている。しかし、安倍首相が推進する安全保障戦略から、「国際協調主義に基づく」の真の意味が見て取れる。第1に、「集団的自衛権の行使」で、米国との協同作戦を目指している。第2に、東アジアで対中国抑制陣営を組織し、「集団的自衛権」をこの陣営まで広げようとしている。こうした国際協調と対応して、中国を敵対者として位置づけた。先頃、安倍首相は米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙の取材に応じ、「日本の国際社会貢献の道の1つは、アジアにおける中国の脅威への対抗だ」との考えを明確にした。
安倍首相の「積極的平和主義」で重要なのは「積極的」の部分だ。ここで強調しているのは、軍事力を依拠とした積極性である。考え方としては、対外的積極干渉を行う米国の霸権外交に似ている。この戦略の核心は、「敵を作り、同盟を結び、対抗する」ことで政治・経済上の霸権利益をはかることだ。こうした戦略は安倍首相の新帝国主義とちょうどマッチしている。
実際、安倍首相は国内でも積極的に米国の体制に倣い、日本の外交安保体制を対外的積極性を追求する国にふさわしいものにしようとしている。安倍首相ははばかりなく中国の脅威を吹聴し、国際社会で役割を果たすと大口を叩くのと同時に、米国の国家安全保障会議(NSC)を雛形とした日本版NSCの設置を積極的に推進している。この会議は総理大臣を筆頭に外務大臣、防衛大臣、官房長官で構成される「四大臣会合」で、その下に自衛隊軍官を含む国家安全保障局が設置される。この制度は、まず首相の統率者としての地位を強化し、次に政府の外交安保政策決定における軍事部門の発言権を大きく高めるものだ。その上、より効果的な機密情報システムの設置を必要とする。このような政策決定の仕組みは、最終的に日本外交の軍事色をいっそう濃いものにするだろう。
政策決定の仕組み構築の他、自衛隊軍隊化のための仕組みも日に日に整いつつある。防衛省の設立で国政における軍事力の地位を確立した後、日本はさらに3軍統合幕僚部(総参謀部)を設置し、自衛隊指揮系統に対する改造を行った。現在、日本は釣魚島防衛の名の下に、陸・海・空3軍から計3万4000人を動員して大規模な軍事演習を行っている。これは自衛隊体系軍隊化の効果に対する検証であるだけでなく、戦闘に備えた総動員でもあった。安倍首相は平和の名の下に、軍隊を表舞台に登場させたのである。
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