本誌記者 于林濤
今月上旬から中旬にかけて、中国の指導者が相次いで東南アジア諸国を訪問、APEC(アジア太平洋経済協力)と東アジア首脳会議関連会合に出席し、地域政策に関する多くの新提案を打ち出し、新政府は外交面で見事な布石を打った。
先頃、清華大学で行われた清華国際安全フォーラムで、出席した専門家らは、「中国は東アジア政策を調整・転換しつつあり、政策決定において、世界的影響力を持つ大国としての態度を示し始めた。経済と安全保障を同様に重んじ、『国際公共財』をより多く提供し、差別化政策で激しさを増す国際・地域競争に対応しようとしている」との認識を示した。
「大国としての態度」
専門家らは一致して、「世界的大国もしくは世界的影響力を持つ大国として、中国は2カ国間や地域的見地だけでなく世界的見地から外交政策を決定するべきだ」との認識を示した。中国現代国際関係研究院前院長の崔立如氏は、「国内には中国が世界第2の大国か否かについて様々な見方があるものの、この地位は中国外交にとって象徴的かつ歴史的な変化だ」との見解を述べた。どのように「世界のトップ2」の役柄を演じ、いっそう激しさを増す国際競争に対応するかが中国外交の主要課題であり、中国の東アジア政策転換の背景である。
地域内最大国として、中国は「積極的牽引」を東アジア政策の総方針とする。崔立如氏はこれを、「従来の政策は何が『必要ないのか』、何を『しないのか』で決められがちで、反応型で防御型の政策だった。一方、新政策は戦略主導と積極的牽引を強調し、我々に『何が必要』で、『何をすべきか』によって決まる」と説明した。崔立如氏はさらに、「中国の東アジア政策はこれまで通り『10+1』の枠組みを堅持し、ASEANの主役であることを再度表明する」と述べた。指導者の演説内容について見てみると、中国は「相互信頼、実務的、寛容」を強調し、ASEANとの戦略的パートナーシップをさらに強化し高めていく。同時に、経済と安全保障の「両輪を共に回す」ことを強調し、自発的に南中国海問題とその他地域安全保障問題に言及した。また、米国の『環太平洋戦略的経済連携協定』(TPP)推進が中国を念頭に置いたものであっても、中国は寛容性を主張し、東アジア経済一体化の推進を加速して、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)とTPPを相互に交流・促進させることを提案した。
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