外資導入の優位性は変わらず
中国の外資導入力は下がったのか?この問題について、中国民営コンサルティング企業のAnboundのレポートは、「中国の経済成長は鈍化してはいるものの、その膨大な経済規模と巨大な消費市場潜在力は、中国の投資機会が依然として豊富であり、外資利用の比較優位性が依然存在することを表している」との見方を示している。
申銀万国のレポートも、「世界の投資が大幅に減少する中、中国の外資導入は米国に次ぐ世界第2位の座を守っており、その優位性に変わりがないことを示している。今年、中国の外資導入は安定を保つと予想される」としている。
興業銀行チーフエコノミストの魯政委氏は、中国は外資導入面でなお優位性を持っていると見る。魯政委氏は、「初期の外資の対中国投資は主に安価な土地や労働力などを重視していたが、今は中国の巨大な市場を重視している。中国の労働力コストは高くなっているものの、労働力の質も大幅に向上しており、付加価値のより高い加工業を担うことが可能だ」と話す。
米国など従来からの経済体の回復により、新興経済体国からの資本撤退が世界共通の流れになっているが、中国は外資撤退の影響が最も小さい。中国には巨大な発展潜在力があるため、外資の対中投資拡大は必然的かつ長期的な、法則性に適った動向である。撤退は短期的で少数の現象に過ぎず、根本的な戦略に関わる問題ではない。
多くの外資企業が中国への投資拡大を計画している。今年4月、ゼネラル・モーターズ(GM)は2016年までに対中国投資を約110億ドルにすると発表、現在は新商品や設備、販売代理店に対する投資を進めている。GMの販売ネットワーク配置の重点は中国の西部や内陸の三~四線都市へと広がっている。2017年までに、上海GMと上汽通用五菱は中国西部に1000社の販売代理店を増やす予定だ。
外貨管理局のデータによると、外国企業の直接投資(FDI)と証券投資によるクロスボーダー資金純流入はなおも増え続けている。6月のFDIクロスボーダー資金純流入は119億ドルで、前期比で14%増加した。証券投資の人民元換算後資金額は15億ドルで、前期比で2.5倍増となった。また、FDIの投資引き揚げ規模は比較的低いレベルを保っている。2013年上半期、FDI投資引き揚げ外貨換算額は35億ドルで、昨年同期と比べて17%減少した。
魯政委氏は、「これらが物語る事実は1つしかない。それは、外資が一貫して中国市場を有望視しているということだ」と分析している。
「北京週報日本語版」2013年9月4日 |