財政・税制改革は、欧米を含む多くの国の政府にとって難題だ。影響の及ぶ利益関係が非常に複雑だからだ。それは中国にとっても例外ではない。

しかし難しさはともかく、財政・税制が今の経済社会発展に適合していないとしたら、改革はやはり行うべきだ。中国はなおさらこの改革を加速しなければならない。

現在、中国経済は生産能力過剰、粗放型発展、成長減速といった問題に直面しており、中国政府は一連の経済改革を通じてこうした問題を解決しようとしている。財政・税制改革は一連の経済改革で最も重要で、最も挑戦を必要とする難しい改革とされている。改革が成功すれば経済成長モデル転換と構造調整が促進されるが、失敗すれば経済情勢がさらに悪化する。

したがって、中国が積極的に取り組んでいる財政・税制改革には、政府の決意と気迫が必要である上に、合理的計画と慎重な議論も必要であり、経済発展に適合し様々な層の人々のニーズにも適合した改革案を策定しなければならない。

現行の財政制度と税制は２０年前に出来たものだ。１９９３年、中国は「分税制」改革を行い、中央と地方の財政支出権限範囲と、中央財政と地方財政の税収項目を区分した。この分税制により、中央財政は権限が減って財政力が高まり、一方地方政府は権限が増えて財政力が低下した。

この２０年で、「分税制」により中央財政の収入規模は拡大し続け、より多くの財源を使って立ち遅れた中西部の発展を支援することができ、中国経済の持続的成長に重要な貢献を果たした。