米国や日本、一部の東南アジアの国で、一部の人が「中国が南中国海全体を核心的利益の範疇に組み入れ、この地域で『接近阻止・領域拒否』戦略を実施しようとしている」という流言を広めているが、これは人為的に緊張局面を作っていると疑わざるを得ない。その狙いは、中国の戦略に対する南中国海周辺国の懸念を生じさせ、南中国海周辺国と中国との領土海洋紛争過熱をあおり、米国の「アジア太平洋回帰」に口実を与えることだ。
今、中日関係は釣魚島紛争による緊張が続いている。日本政府の一方的な釣魚島「国有化」に対し、中国政府は釣魚島付近海域での巡航や国際法による解決主張の強化などを通じて対抗し、断固として国の核心的利益を守った。ニューヨーク・タイムズ電子版は2013年5月11日付で、「中国が明確に東中国海における中日の島嶼摩擦を指して『核心的利益』という言葉を用いたことには『威嚇の意味が隠され』ており、『釣魚島紛争の平和解決を難しくした』。ある意味で、『米国とその地域盟友への挑戦』である」と報じた。
2010年3月7日の第11期全国人民代表大会第3回会議の記者会見で、楊潔篪外交部長(当時)は中米関係に関する質問に対し、特に次のように答えている。「原則的立場の堅持と強硬であるか否かは全く別問題だ。国と国との付き合いで重要なのは『理』があるかどうかである。中国の外交は、国家主権・安全・発展利益の擁護と世界平和・発展の促進を自らの責務としている。これが中国外交の『理』だ。これは国際関係のルールで堅持されている『理』でもあると思う。ある国の核心的利益と尊厳を守る行為を『強硬』だと見なし、他国の利益に対する侵害を当然のこととするなら、公理はどこにあるのか?」
楊潔篪氏の疑問は、中国の核心的利益主張に緊張を感じている国が深く考えるに値する。中国の外交政策に起きつつある変化を偏って解釈したり悪者扱いしたりすることは望ましくないし、アジア太平洋安全保障における一部の敏感な問題を適切に処理する上で建設的意義を持たない。
「北京週報日本語版」2013年8月14日
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