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中国の核心的利益強調は「強硬姿勢」にあらず

 

しかし一部米国メディアやシンクタンク、軍事関係者は、中国の核心的利益強調を中国の地域政策変更と対外強硬姿勢顕示のシグナルだと捉えており、こうした観点は米国政府の対中政策に影響を与えている。2010年7月、日本の朝日新聞と米紙ニューヨーク・タイムズは、匿名の米国専門家の話を引用して、「2~3カ月前、中国は南中国海を核心的利益と言い始め」、中国が南中国海を台湾やチベットと並ぶ核心的利益に組み入れたのは初めてだと報じた。また、「ASEANに南中国海問題に対する統一戦略がなければ、或いは米国や日本、インドが同盟しなければ、南中国海で中国と対抗できない」とした。

実際には、同一時期の中国政府筋の内部・公開資料及び対外的な態度表明で、中国が南中国海問題を明確に「中国の核心的利益」の範疇に組み入れたという記録は見当たらない。正しくは次のように理解するべきである。中国の一貫した立場に基づき、中国は南中国海島礁に対し争う余地のない主権を有している。南中国海島礁の帰属問題は当然中国の核心的利益に関わるが、中国は対話による交渉を堅持し、2002年の『南中国海行動宣言』精神に則って平和的に紛争解決に当たっており、南中国海域の航行の自由を尊重・擁護している。中国が南中国海域全体を核心的利益の範疇に組み入れたと言うのは、事実の歪曲である。

中国トップの対外的態度表明の言語的脈絡において、国の核心的利益の擁護は中国の平和的発展戦略の有機的構成部分である。核心的利益問題に関する議論は例外なく平和的発展戦略の枠組み下で行われており、自由に範疇を拡大したこともないし、過度に細分化したこともない。核心的利益に関わる問題については、政治解決と平和解決を依然主軸としており、軍事手段は最終的な抑止効果を果たすものだ。

習近平総書記も7月30日の講話で、「平和的、発展的、協力的、そしてウィンウィンの方法で、着実に海洋強国建設を推進しなければならない。安定維持と主権維持という2つの大局を統一計画し、国家の主権・安全・発展利益擁護の一元化を堅持し、海洋権益擁護と総合国力向上を整合させなければならない。平和的な方法と交渉による紛争解決を堅持し、平和と安定を守るよう努めていかなければならない」と強調している。

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